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慧side
期待していたのかもしれない。
俺が勝手に、自分の見た目に母さんを重ねていただけで
父さんはちゃんと俺のことを見つめて、密かに愛してくれているんじゃないかと。
もしそうだったら、夜な夜な俺に触れ、そういう事をしていたのにも説明がつく。
だから俺はほんの少しだけ、その眼差しに希望を見ていたのに。
「お前がどんどん母さんに似ていって……つい魔が差して……！！」
「ち、ょっと、ゃめてよ……とうさん、ほんとは……！」
「信じてくれ！！お前自身をそういう風に見た事は “ 一切無いんだ ”！！」
「……ぇ、」
「……母さんを、重ねてた。それだけだ……すまない。」
一言、いつもの様に謝罪の言葉を零して
取り返しのつかない絶望にでも陥った様なその顔に
より、不安と極度の戦慄の色が突き抜けた。
「ごめんな……。」
まだ父さんの前に身を乗り出したままの俺に
父さんは涙に濡れた深い穴底の様な目を向けて、
そっとその震えた手で俺の頬に触れようとする。
「……さ、わんないで……ッッ！！」
「________っ、」
ガリッ、と爪で何かを裂く様な音がリビングに響いて
父さんは自分の手を抑えた。その手の甲には赤色の線が爪痕状に残っていた。
軈て、抑えた手の隙間からぽたり、ぽたりと石榴の粒のような血が滴っている。
「慧……っ！」
「ゃだ……、」
「……俺がどんなことをしてしまったかは本当によく分かってる……！！」
「分かってない！！お父さんはなんにも分かってないッッ！！」
「こんなことをして……きっと天国の母さんも俺に呆れてる……本当にごめ、」
「やめて！！」
また、またその名前だ。
嫌いだ……みんな嫌いだ。なんにも分かってない。
俺がこんな気持ちを抱いているから。俺がおかしいから。
ただ『好きだよ』って貴方から伝えられたなら
息子だけど、父親だけど、愛してしまったと、
だからお前に手を出してしまったんだと、
涙ながらに伝えられたなら、例えそれが嘘だって
一緒に地獄まで堕ちて行く覚悟で頷いただろう。
「母さんじゃない！！俺でしょ！？父さんがッ……さ、さわったのは……、」
「けい……？」
「……もう、わかった、わかったから……ごめんなさい……ごめんなさぃ……。」
心臓を押し潰される様な異常な感情の昂りが襲い、
思わずその場に頭を抱えて蹲った。
これ以上話したくない、そんな気持ちで
酷く困惑しながら駆け寄ってくる父さんを拒否する。
泣きたいのに、涙は出てこなかった。
．
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ひまちぃ(プロフ) - あやかさん» 了解しました！！今あるリクエストから順を追って応えていきますので、近いうちには更新することができると思います！！気長にお待ちいただければ幸いです。 (2022年4月18日 22時) (
レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - コメント失礼します。ここで、誓おう。とても良かったです！もし良かったら、ここで、誓おうのym×inのその後を書いて頂けないでしょうか？よろしくお願いします！ (2022年4月17日 17時) (レス) id: a32468be8f (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - ふぅいさん» いつも読んでいただいてありがとうございます！！昨日無事に中学校を卒業致しました。遂に高校生……忙しくなるとは思いますが、これからも小説投稿を続けていきますので応援よろしくお願い致します！！ (2022年3月8日 10時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅい - 受験お疲れ様でした！！そして受験期間中､お忙しい中でのお話投稿ありがとうございました！ひまちぃさまのお話が本当に大好きでいつも投稿を楽しみに色々頑張れてます。ありがとうございます。これからも楽しみにしております！本当に大好きです！！！ (2022年3月7日 22時) (レス) @page50 id: 85477ac2f6 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - なるみさん» ありがとうございます！！なるみさんいっつもコメントくれて嬉しいです！！これからもどうかご愛読くださいね！！ (2022年2月21日 23時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまちぃ | 作成日時：2022年1月4日 9時
