夫婦喧嘩は犬も食わない！？【ym×in】(あやかさんリク） ページ40
※『ここで、誓おう。』の世界線です。
伊野尾side
「やまちゃん。」
「……。」
「ねぇ、やまちゃん。」
「今大事なところだから。」
時刻は午後9時。
いつもより早く帰宅できたことに胸を高鳴らせ 、部屋でヘッドホンをして画面に向き合っていた旦那の肩を叩けば、うざったそうに一瞬だけ向けられた視線にひやりと体が縮まった。
『後にして』と呟くと、すぐさまキーボードへと奪い取られた彼の瞳は、もうどれだけ呼び戻しても俺のことなど目にも入れてくれなさそうで。
「……また？」
ちゃんと、理解はしていたつもりだった。
だいたい山田の脳みそ半分がゲームに囚われてる事は知ってたし、付き合ってる時も、おうちデートといえばそんなにお熱いものではなく、ゲームのできない俺がただただ山田の背中を眺めるだけの時間で。
それでも一緒にご飯は食べてくれたし、誘えばちゃんとその気になってくれたし。
そう、今に始まったことじゃない。分かってた。折り合いもつけてた。
________決してその時間が楽しかった、とは言えないけれど。
「……おれ、リビングで待ってるから。」
ただ、ゲームをやって欲しくないわけじゃなくて。
早く帰ってきたときくらい一緒にお話できたらいいなって、本当にそれだけのつもりで話しかけたのに。
返ってきた言葉の冷たさに、ほんの少しだけ驚いてしまったのだ。
仕方ない、仕方ないから。
頭の中でそう何度も何度も暗示をかける様に繰り返しながら、テキパキと簡単な夕飯を作る。付き合った当初よりかは料理にも大分慣れてきたつもり。
パスタを茹でながら、ちらりと山田の部屋を振り返り
二品目のサラダを作り終えてもまたそのドアに視線をやって、全ての料理、家事を終え、更にはそれにラップをかけ、
……いつもより寒いリビングの端で膝を抱えても尚、彼の部屋のドアは、一向に開いてはくれなかった。
あんなに早く帰ってこれたのに、時計を見ればもうとっくに日付は変わっている。
あーあ、お腹空いたなって、どれだけそう思っても、一人で食べるのだけは、それだけは虚しすぎるから。
近くにあった肌触りの良い毛布をぎゅっと手繰り寄せ、無性に泣きたくなる様な感情を胸の中で諌めた。
不意に浮かぶのは、あの輝くドームでの思い出。
あんな盛大に世間にお披露目をしたのにも関わらず、時代の幸運か、記者たちが暫く騒ついただけで大きすぎるバッシングは受けなかったというのに。
それを乗り越えた俺たちの生活ってこんなもの？
．
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ひまちぃ(プロフ) - うさこさん» うさこさんありがとうございます！！コメントすごく嬉しいです😆次回作も力を入れて頑張りたいと思います！！ (2022年7月13日 19時) (
レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - こんばんわ。やっと仲直り😊いのちゃんの気持ちを思うと泣けてきちゃってずっと気になっていたのでハッピーエンドになって嬉しいです🙂次の作品も楽しみにしています。 (2022年7月13日 1時) (レス) @page49 id: f4957992c9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Rinさん» ありがとうございます！！コメント本当に嬉しいです！！最近は更新頻度も落ちてきてご迷惑をおかけしていることは承知ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2022年7月8日 21時) (レス) @page45 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - このシリーズすっごくすっごく好きです！！この後の展開が気になって仕方ない書き方をされるのでワクワクが止まりません！早く続きが読みたいです！待ってます！！ (2022年6月30日 19時) (レス) @page44 id: b5ace0fd89 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - ぬんさん» コメントありがとうございます！！すっごく嬉しい感想で、静かに喜びを噛み締めてます……！！これからもどうかご愛読ください！！ (2022年6月19日 19時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまちぃ | 作成日時：2022年3月9日 12時
