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薮side
「……ん、いのお、はやいな……。」
「当たり前でしょ〜、俺今日撮影あるから。」
丸一日オフの穏やかな朝。
眠たい目を擦りながらリビングに出ると、
ばっちり身支度を済ませた様子の伊野尾が
せかせかと動き回り、朝食をテーブルに並べていた。
「え、お前大丈夫なの？」
「ばか。年寄り扱いするんじゃねぇ。
あんぐらいの弱々セッ クス決めたところで
俺にとっちゃ一晩経てば爽快に起きれるレベルのもんなのよ。
……あ、ほら。寝癖。」
後ろ向いて、と背伸びしたかと思えば
俺の後頭部で暴れるに暴れている髪を
擽ったいくらい控えめに手櫛で梳かしてゆく。
ほんと、悪態吐きながらも、何だかんだ俺のこと大好きなの超目に見えてるな。
「んー、ぞわぞわする！」
「黙れ、動くな。髪引きちぎるぞ。」
まるで昨日の泣き顔が嘘の様に、
いつも通り鼻に付く事しか言わない俺の恋人。
ただ後ろ髪を触るその手付きだけが、優しく温かい。
「あ、お前も睫毛ついてるよ。」
「え、うそ……どこ？」
だから“これ”は、俺からのお返しって事で。
________________ちゅ、
柔い伊野尾の頬っぺたを少しだけ強引に掴んで
彼の突き出た唇を食む様に自分の口で蓋をする。
真っ赤な果実を、飴でコーティングしたかの如く
喉が痛くなる程甘い、麻薬みたいな口付け。
口の中に舌を差し込んで
歯列をなぞり、上顎を擦って
蜜の様な唾液を存分に味わう。
短い舌をじゅ、と音を立てて吸えば
びくりと分かりやすく震える太腿が可愛らしい。
「ん、は……っぁ……ぅ、」
「ふ、そんなエロ い顔して撮影するの？
そりゃ世に出したくねぇな。断ってやろうか？」
「……ば、ばッッッかじゃないの！！きらい！！」
朝から大迷惑な大声でそう叫ぶと
バシッと勢い良く俺の手を払いのけ、
大きく足音を立てながらキッチンへと戻っていった伊野尾。
やっぱ異常な力強さは健在……普通にいてぇわ。
真っ赤になってしまった手の甲を擦りながら、
そっと近くのミニテーブルの上に目を移すと
何やら伏せてある見たことない雑誌。
俺もあいつもお互いが載ってる雑誌ぐらいしか買わないのに……。
余りにも不思議で、悪いとは思いつつそれを手に取る。
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ひまちぃ(プロフ) - うさこさん» うさこさんありがとうございます！！コメントすごく嬉しいです😆次回作も力を入れて頑張りたいと思います！！ (2022年7月13日 19時) (
レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - こんばんわ。やっと仲直り😊いのちゃんの気持ちを思うと泣けてきちゃってずっと気になっていたのでハッピーエンドになって嬉しいです🙂次の作品も楽しみにしています。 (2022年7月13日 1時) (レス) @page49 id: f4957992c9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Rinさん» ありがとうございます！！コメント本当に嬉しいです！！最近は更新頻度も落ちてきてご迷惑をおかけしていることは承知ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2022年7月8日 21時) (レス) @page45 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - このシリーズすっごくすっごく好きです！！この後の展開が気になって仕方ない書き方をされるのでワクワクが止まりません！早く続きが読みたいです！待ってます！！ (2022年6月30日 19時) (レス) @page44 id: b5ace0fd89 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - ぬんさん» コメントありがとうございます！！すっごく嬉しい感想で、静かに喜びを噛み締めてます……！！これからもどうかご愛読ください！！ (2022年6月19日 19時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまちぃ | 作成日時：2022年3月9日 12時
