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薮side
伊野尾の説明は何処か淡々としていて、
本当にその作業を俺と共にするのが憂鬱だと、
声色から滲み出している様だ。
「これで、洗浄の説明は終わり。
……まさかやる気失せた？」
自虐的な笑みで浴槽の縁に腰を掛ける彼が
唯一腰に纏う真っ白のハンドタオルは、
彼の腕から伝う水をまともに浴びてしまった所為か
その白い肌を透かし、ぴったりと張り付いていて
なんとも扇情的な艶かしさを見せつけた。
「ぁ……、いやっ……んなことは、ねぇけど。」
本当は今すぐ伊野尾に縋り付いてでも否定したいが
そんな顔で問われてしまうと、咄嗟に上手い言葉が出てこなくて
傍から見れば、図星が故に狼狽えている様にも感じられてしまう。
その間も、ヘッドが外れ、一般的なホース状になったシャワーからは、
より大量の水がじゃばじゃばと溢れ、俺たちの足元を濡らして。
俺は結局何も言えぬまま、ただそんな光景を漠然と眺めていた。
そんな俺の顔を見て、伊野尾は一瞬だけ酷く眉を顰め、
まるで分かり易すぎる作り笑いを浮かべて
俺の肩を強い力で押し返し、浴室から出そうとする。
「……な？セ ックスの時とは違うんだからさ、
お前も死ぬほど出して萎えてる時に
恋人とは言えどこれ以上男の下半身なんて見たくないだろ？」
「ちょ、ちが……伊野尾っ。」
「違わない。……違わないじゃん。
……女の子じゃないんだからさぁ、
そこまでお前が気を使う事ないだろ。
現に、今までこんな事やった事ないくせに。」
中々引かない俺に、更に苛立ちが増したのか
伊野尾はその掠れた声で精一杯語気を強めて
俺の顔を鋭くキッと睨みつけた。
生憎、そんなあからさまに泣きそうな顔をされちゃ
俺だってこんな所で引き下がる訳にはいかなくなるだろう。
今回だけは絶対に、絶対に折れてなんかやらない。
あと一歩、このまま後ろへと押されて仕舞えば
彼は間違いなく俺との間をすぐさま遮断するだろうから。
「っ、いの……おッ！！」
「ッッぁ、……きゃ、ぅ……っ！」
疲労感が漂っているこいつに
乱暴な事はしたく無かったんだけど。
こんな状況では致し方無い、と自分の中で折り合いをつけた。
伊野尾よりもがっしりとした図体を利用して
その体を抱き込む形で浴室の奥へと押し入り、
細っこい腕を掴んで、後ろ向きで壁に押し付ける。
「っ、おま……ぇ……。」
「……すまん、……触るぞ。」
ぷるぷると震える彼の脚の間に膝を入れ、
その腰に張り付いていたハンドタオルを
なるべく柔らかな手つきで取り外した。
．
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ひまちぃ(プロフ) - うさこさん» うさこさんありがとうございます！！コメントすごく嬉しいです😆次回作も力を入れて頑張りたいと思います！！ (2022年7月13日 19時) (
レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - こんばんわ。やっと仲直り😊いのちゃんの気持ちを思うと泣けてきちゃってずっと気になっていたのでハッピーエンドになって嬉しいです🙂次の作品も楽しみにしています。 (2022年7月13日 1時) (レス) @page49 id: f4957992c9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Rinさん» ありがとうございます！！コメント本当に嬉しいです！！最近は更新頻度も落ちてきてご迷惑をおかけしていることは承知ですが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2022年7月8日 21時) (レス) @page45 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - このシリーズすっごくすっごく好きです！！この後の展開が気になって仕方ない書き方をされるのでワクワクが止まりません！早く続きが読みたいです！待ってます！！ (2022年6月30日 19時) (レス) @page44 id: b5ace0fd89 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - ぬんさん» コメントありがとうございます！！すっごく嬉しい感想で、静かに喜びを噛み締めてます……！！これからもどうかご愛読ください！！ (2022年6月19日 19時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまちぃ | 作成日時：2022年3月9日 12時
