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山田side
赤く腫れた瞼から尚も涙を弾き出す彼の瞳は
俺たちがずっと感じていた様な不純さなんてどこにも見当たらなくて。
「 “すき” 、って、ぃっぱい……く、くちに出して……言って……、」
「……うん。」
「それだけで……っ、お、おれ、おれは……！！」
「うん。」
しゃくりあげげながら、一生懸命に話す彼の背中をゆっくりと摩って、親指で頬を伝った大粒の雫を拭い取る。それにそっと肩を竦めて、長い睫毛をパシパシと瞬かせる伊野尾ちゃんの手を、俺はなるべく優しく握って口を開いた。
「まずは、あの、無理矢理伊野尾ちゃんが嫌がることしちゃってごめん。
手首も、痛かっただろうに、俺全然外さなくて……それもごめん。」
「……ぅん、」
「伊野尾ちゃんが、こういうことするのはなんでなんだろうなって正直イライラしてて、
でも今日よく分かった。伊野尾ちゃんなりに思うこと沢山あったんだね。」
「……うん。」
「だからさ……っ！！」
その瞬間、不思議そうに顔を上げた伊野尾ちゃんにバッと抱きついて
その細い体を胸の中にぎゅーっと押し込めた。
「これからは俺が伊野尾ちゃんの欲求ぜーんぶ満たしてあげる！！
好きも愛してるだって、毎日欠かさず言ってあげるし、キスもぎゅーもしてあげる！！」
「……は……！？」
「伊野尾ちゃんがいいならえっちだってしよ！！
だからそのよく分かんない人たちの連絡先は全部消して！！」
「え？……ぇ？」
俺が喋る度、面白いくらいにコロコロと変わる彼の表情が
今になって特別愛おしく感じるようになった。
その顔を覗き込むようにして上から段々と赤みを帯びていく肌をじっくりと見つめる。
「あ……うん、すき。好きだわ。おれ。」
もしかしたら、伊野尾ちゃんの体で、視線で、声で。
これまでにないくらい興奮したのは、彼自身に好意を抱いているからなのではないか。
そう思って試しに『好き』なんて単純な言葉を口に出してみれば、
その軽快で暖かい二文字分の音は、思ったより素直に胸に落ちてきた。
「す、すき……っ！？」
「うん、好き。俺伊野尾ちゃんのことそういう目で見てるんだ。」
「へっ！？いや、う……うぅ、うそだ！！」
「嘘じゃないよ。俺は伊野尾ちゃんが好き。」
「っ、ぅ、ぃや……やめて！！山田もう喋んないで！！」
グイグイと俺の胸を押し返そうとする彼をもっと強く抱え込んで、
不埒に見えてすごく純情な彼の心の居場所に、今度は俺がなれる事を願う。
fin．
純情ビッチとやまだくん。※激裏（h a l c aさんリク）→←8
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ひまちぃ(プロフ) - 本日『好きだよ、痛いくらい。【×in】Part4』を公開いたしました。リクエストされていた作品も、今リクエスト中の作品も全てそちらに書かせて頂きますので、お手数お掛けするとは思いますが、そちらをご覧ください。ひまちぃでした！！！！ (2022年1月10日 16時) (
レス) @page40 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» リクエストありがとうございます！！Part1.2にも記載した通りPart3の編集画面を開けなくなってしまったので😢リクエストは今作成中のPart4内で受けさせていただきます！！ (2022年1月5日 21時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - というパタンが成立できるのでしょうかな。周りの人たちに好きな子ができたと宣言するLEO様、いかがでしょうか。ひまちぃさん、機会があればぜひお考えてください💓 (2022年1月5日 20時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - ここでリクエストさせていただけませんか。私ネット音痴なので、ツクウラのDM欄を探しましたが失敗しました😢。ところで、今日大ちゃんは伊野尾ちゃんがゲームする時必ず女性キャラをするといました。ゲームで好きな女の子（ネットオカマ伊野尾)と出会った山田さん (2022年1月5日 19時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» いつもご愛読いただきありがとうございます！常時リクエストも受け付けていますので、機会があったら是非！！ (2022年1月4日 0時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまちぃ | 作成日時：2021年9月19日 22時
