きっと、もう『明日』なんてない。【ym×in】 ページ1
山田side
「あのね、いのちゃんって自分に言い寄ってきた男……みんな受け入れて抱かれてるの。
……本当は言いたくなかったんだけど、いつも一方的な涼介が可哀想で……っ。」
全員での収録の後、知念から『空き楽屋に来て』と言われ、何か困り事があるのかとついて行ってみれば、
俺は、知ってしまった。最愛の人の秘密を。
……聞きたくもない真実を。
“ 一方的 ”
まるで今までの俺の想いを根本から否定する様な
その言葉が妙に耳の奥で留まってしまって、
何度も、何度も何度も……脳内でループ再生される。
「……なにそれ。」
訳が、分からない。
記憶の中にある彼の笑顔がぐにゃりと歪む。
好きだったのも、
これからも一緒に居たいって思ってたのも、
将来を考えていたのも、
……全部が、俺の中だけでの妄言に過ぎなかった？
「……ごめん……っ、でも……こんなの酷いよ！！涼介が、涼介が……可哀想だよっ。」
俺のこと弄んで、
自分は男みんなに同じ顔して。
俺には彼しかいなかったのに
彼にとって俺はコレクションの中の1つだった？
……そんなのって、
「……最低、だ。」
温かさの欠片も無い涙が頬を伝うのと同時に、
口から零れ落ちた言葉。
俺に向けた笑顔も、愛の言葉も、全てが嘘偽り。
そう自覚した瞬間……愛しさも、想いも。
全部頭の中から抜け落ちていって
俺の中に唯一残ったのは、
彼に対しての “憎しみ” だけだった。
「ぅ、うう……りょ、すけ……っりょうすけ……！！」
「……知念、ありがとう。……辛いこと言わせてごめんな。」
両手で顔を覆いながら蹲る小さな彼を、胸の中で抱きしめる。
涙と共に、抱き締めた時の温もりでさえも捨ててしまった俺にとっては、彼以外の人間を抱き締める事に何の抵抗もなかったんだ。
……
知念の肩を支え、ゆっくりと楽屋の扉を開ける。
泣いてる知念を見てか、慌てて駆け寄ってくるメンバー。その中には彼も勿論居て。
「やまちゃん、知念どうしたの？」
「……。」
「やま、___________ッッぁ゛ぐ、」
響いた鈍音に、楽屋が静まり返る。
目の前には赤く染まった頬を抑えながら
床に蹲る伊野尾ちゃん。
そんな痛々しい姿にも
一切の情を感じなかった自分に
静かに驚愕した。
「え、ちょ……山田？どうしたんだ？」
「……裏切った。」
「……は？」
「裏切ったんだろ、俺の事。」
「ッッ……ゃまちゃ、」
「________触んなッッ！！！」
．
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ぽぽ - 何回も何回も読んでは泣いてを繰り返しています。最終話まで必ず待ち続けます！ (2023年4月2日 14時) (
レス) @page22 id: 2356846dec (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - ぬんさん» コメントありがとうございます！！内容自体も模索しながらの執筆となりますが、これからも楽しみにしてもらえると幸いです💓 (2022年9月13日 6時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 何回読み直してもめっちゃ泣けるほど好きです😭結末がどうなるのかめっちゃ気になってしょうがないです！！ひまちぃ様の作品全部毎回読み返すくらい書き方が好きです！最終話まで待ち続けます👮 (2022年9月13日 0時) (レス) id: 9851ed22ed (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - mojyabucchantさん» コメントありがとうございます！！こんな超超超亀更新作品をそんな風におっしゃっていただいて嬉しい限りです！！なるべく更新続けていけるように頑張っていきます！！ (2022年9月7日 21時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - ふぅいさん» 返信非常に遅くなってしまい申し訳ありませんでした。コメントありがとうございます！！一文字一文字何度も読み返して嬉しさに感じ入っております……。ふぅいさんのお言葉に私もモチベを刺激されながらこれからも精進して参ります！ (2022年9月7日 21時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまちぃ x他1人 | 作成日時：2021年8月11日 22時
