不安の種（ラドル＆ジャックside） ページ49
「それは何よりです！あぁそうそう。ラドルさん、薬の対価の話は覚えていますか？」
「……？はい。仕事を手伝うということで……」
寮長の言葉に僕はそう答える
寮長はにぃっと輝かしいまでの笑顔で言った
「近々ラドルさんに是非お手伝いしていただきたい仕事があるんです。大丈夫！テスト返却後の気分が楽になった時期、それも短期間なので、勉強のお邪魔にはならないですよ。」
「はい、わかりました……。」
その言葉を聞いて少しホッとした
よかった、すぐではないのか……
「それまでじっくり休んでくださいね。しばらくは無理してはいけませんよ。」
「はい、寮長。」
「結構。それでは。」
そう言って寮長は去っていった
「……。」
僕は寮長がいなくなったのを確認してから自室に逃げるように駆け込んだ
そしてノートを開きテスト問題を書き連ねた
問題も答えも全部覚えている
何度も何度も何度も見直したのだから
あらゆる参考書を開いた
本棚も積み本も全部ひっくり返して隅から隅まで読んだ
そのどれもが自分のテストの全正解を物語っていた
心配なのは精々体力テスト位だ
なのに、どうして
こんなにも不安なんだ
僕はベッドの上で膝を抱えて震えていた
何故……？
僕にはもう怖いものなんてないはず……
それなのに……
「うぅ……」
『おい大丈夫か？』
ランドールが心配そうな、ドン引きしたような顔で聞いてきた
「ランドール、僕一位取れるよね？」
『ま、まぁ、多分……』
「だよね！？そうだよね！？」
僕は絞り出すように言う
枕にしがみついて顔を押し付けながら不安を殺すようにして
「でも……もし落ちたら……」
それでもそんな気持ちは延々と僕の頭の中を回っていた
ーーーーー
「あ、おいラドル！」
「ジャック！今日は先帰ってて！僕はテスト勉強から開放された自由を楽しむからー！」
「ちょ、待てって！」
テストが終わってすぐラドルは帰ってしまった
だが嬉しそうなその様子に俺はあまり強く引き止めることはできなかった
(んだよ……テスト明けに二人で打ち上げでもしようと思ったのに……)
自室の冷蔵庫に入れてあった洋梨のコンポートがたくさん乗ったケーキを思い、俺は溜息をついた
打ち上げのために買っといたんだけどなぁ……
普段もそうだが、テスト期間の活力は相当だった
あんだけ頑張ってれば一位なんてザラに取れるだろう
まぁでも、結果が出てからのがいいか……？
そっちのがラドルも心からはしゃげるだろう
(日持ちするようにしとかねぇとな。)
俺は笑って寮に戻った
返却の日を待ち遠しく思いながら
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リゼ - またたびはまたさん» 続きをお恵みください！お願いします！ (2022年9月7日 15時) (
レス) id: d9fc6c506c (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - 続きをお恵みください！お願いします！ (2022年7月27日 8時) (レス) @page35 id: d9fc6c506c (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - またたびはまたさん» ありがとうございます！励みに頑張りますね！ (2022年6月14日 19時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
またたびはまた(プロフ) - 3枚目失礼します！これからも更新頑張ってください！ http://uranai.nosv.org/img/user/data/a/b/0/ab06fd1e3d0ca81260806a2186d7b3da.jpg (2022年6月14日 17時) (レス) id: 0846684c6a (このIDを非表示/違反報告)
またたびはまた(プロフ) - イラストかけました！文字数制限があるので2,3回に分けてコメントさせていただきます！ http://uranai.nosv.org/img/user/data/b/6/1/b6176f6e6f230704bddd05aed4a79b3a.png http://uranai.nosv.org/img/user/data/3/6/e/36e1f1aab5fa3f7ed26476f53b74cfb3.jpg (2022年6月14日 17時) (レス) @page33 id: 0846684c6a (このIDを非表示/違反報告)
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