優しさ ページ20
「ねぇ、あれマジカメの……」
「わぁ退院できたんだ。」
「にしてもあれマジらしいよ。同じクラスの奴等全員見てるみたいだし。」
「マジかよ……俺あれ無理だわ。うねうねしてて気持ち悪いしモンスターみたいだ。」
「あんなのが紛れてると怖いわ。」
予想通り学校につくと周りからの視線が痛かった
あの見た目が気持ち悪いと皆口を揃えてヒソヒソ話している
(覚悟してたけどやっぱりキツいなぁ……)
前世でいじめられていた時の記憶だけが鮮明に甦る
あぁ辛い逃げたい帰りたい
「おいテメェら!聞こえてんぞ!耳障りだ、とっとと散れ!」
「ひぃっ!?」
「ごめんなさーい!」
ジャックが威嚇すると噂話をしていた生徒達は皆ハエを散らす様に逃げていった
「あんなの気にするなよ。」
「うん、ありがとう。ごめんねいつも。」
「謝るな。俺がやりたくてやってんだから。」
フンッとジャックはそっぽを向く
本当にジャックは強くて優しいな
そんな所が羨ましい
「ねぇジャック、僕もっと頑張るよ……誰に何言われても気にならない位成績も良くなって運動も頑張って強くなるから……」
「もう充分頑張ってるだろ。でもそうだな、身体が完全に治ったら朝の筋トレ一緒にやるか?」
「う"ん"……」
少し涙が出てきた
さっきの陰口だけで僕は結構心をやられていた
ジャックの優しさがしみてしまい目元が濡れる
ふと顔を上げればもう教室だった
「もうか……」
「安心しろ、授業が終わったらすぐ廊下に出てこい。俺がいるから。」
「うん、わかった。頼りにしてるね。」
そう言って僕らはそれぞれの教室に入っていった
僕が教室に入ると周りからの視線が僕を突き刺した
ヒソヒソとした声が聞こえてくる
教師が入ってくるとそれは止んだが教師も僕を見ると目をそらした
「っ……」
僕も目をそらして俯いた
あぁ早く終わって、終わってくれ……
僕はひたすら時間がたつのを願いながら勉強に逃避した
ーーーーー
「ぜぇ、はぁ、これっ、結構、きづいね」
「やっぱ体力落ちてるな。あと2kmで学校だ。がんばれ。」
「ひぃぃ……」
あれから僕はなんとか周りの視線をかわしていた
ヒソヒソ声こそ聞こえたが、勉強したり、休み時間はジャックと駄弁って時間を潰していた
幸い直接危害を加えられることは無く、最近は少し安心できている
「よし、ついたな。」
「水、水……」
僕は鞄からボトルを出して水をがぶ飲みした
「スピードは上がってきてるからあとはスタミナだな。」
「うん……」
ピンピンしてるジャックを見て僕は凄いなと改めて感じた
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あんかけうどん(プロフ) - あんぱんさん» ありがとうございます! (9月14日 22時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - ランドール好きなのでうれしいです! 面白かったです! (9月14日 22時) (レス) @page28 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - 竜の騎士さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年12月10日 17時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士 - はじめまして。最初から読んでみましたが、とても面白くてすぐにハマりました!更新楽しみにしています! (2021年12月10日 13時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年11月25日 4時