オクタヴィネル寮 ページ37
「さぁ、ここが貴方方がこれから住む寮であり、慈悲深き海の魔女の精神を重んじる寮、オクタヴィネル寮です！」
寮を隔てる魔法の鏡を潜り抜けるとそこは海の中の寮だった
窓の外では魚達が意気揚々と泳ぎ回っている
その光景は水族館で見るよりもリアルで美しかった
「わぁ……！」
「新入生の皆さん、僕の指示に従って整列してください。」
「あはっ！さっさと並ばねぇとぉ〜ギュッて絞めちゃうからねぇ〜？」
向こうでは双子の上級生が新入生へ整列を促していた
(いけない！早くいかなきゃ。)
ABC順に並ぶと自分より身長が高い人もいて驚いた
双子の上級生に至っては190cmなど裕に越えている
ミドルスクールの時は皆軽く見下ろせちゃってたのに
あ、そうか
ここは人魚が多いから擬人化した時に身長が結構高くなるんだ
整列が終わると改めて寮長が話始めた
「ではもう一度改めまして自己紹介を。僕は二年、アズール・アーシェングロット、オクタヴィネル寮寮長です。」
「そして僕は二年、ジェイド・リーチと申します。オクタヴィネル寮副寮長です。どうぞお見知り置きを。」
「今日はお手伝いさんの二年、フロイド・リーチでぇす。でもあんま手こずらせちゃうとムカつくからあんま手ぇかけさせんなよ？よろしくねぇ？」
『あいつら全員反社会勢力のボスとおつきか何かか？』
「シー！」
ランドールの失礼発言に思わず反応してしまう
まぁわからなくはないけど……
はぁ……ランドールの声が周りに聞こえなくて良かった……
ため息を漏らしながらもその後淡々と荷物をまとめたり寮服を貰ったりと少しバタバタしつつ何とか部屋を整えた
「やっと終わったぁ……でも変だな。周りは皆二人一部屋なのに一人部屋だなんて。」
「それは僕からお話致しましょう！」
「どわっはぁ！？」
「え？」
後ろから大声でそう言われ僕は思わず消えてしまった
ああやってしまった
ユニーク魔法なんて気軽に手の内を明かす物じゃないのに！
「ラドルさん？これは……」
「すみません、驚いてついユニーク魔法が暴発して……」
「ユニーク魔法……貴方のユニーク魔法は姿を消せるんですか？気配まで消えた様に感じましたが……」
「それは長年家で気配を消す訓練をしていたから咄嗟に……僕の家は調達屋なので調達業の一環で身につけたんです。ユニーク魔法の方は周りの色と同化できるって感じです。」
勿論全ての手の内は明かさない
あくまでバレてしまった所まで
そうしないとこの悪徳セールスマンみたいな寮長は何をするかわからない
何だかんだ言って怪しいという点はランドールと同意見なのだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんかけうどん(プロフ) - あんぱんさん» ありがとうございます！ (9月14日 22時) (
レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - ランドール好きなのでうれしいです！ 面白かったです！ (9月14日 22時) (レス) @page28 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - 竜の騎士さん» ありがとうございます！嬉しいです！ (2021年12月10日 17時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士 - はじめまして。最初から読んでみましたが、とても面白くてすぐにハマりました！更新楽しみにしています！ (2021年12月10日 13時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんかけうどん | 作成日時：2021年11月25日 4時
