６粒 ページ7
爆豪Side
『！？』
びくりと肩を上下させ驚いた様子でぼろぼろの姿の女が此方へ視線を向ける。
「…ッ、A様ッ！」
『…ぁ。』
男は軟禁されている対象の名前を叫び駆け寄り何度も謝罪の言葉を述べている。
「…ンだこれ、酷ェな。」
対象の姿とソイツの置かれていた環境に思わず言葉が漏れる。学生とは言えもう免許を取得し携わる仕事もだいぶ本格的な事案が増えてきて、当然その中には惨く、胸糞悪ィ現場が数多く存在しその度ドス黒い何かが胸の中を侵食していく。
部屋に生活感はなく掃除も行き届いておらず床には血や想像はしたくない液体の跡、カーテンはやけに厚く暗い素材でまだ昼間だというのに部屋は僅かに差す光以外は闇で染まっている。
その中でテレビだけが音を発しており箱の中のソイツ等はこの場に不似合いなバカ騒ぎでどこぞの観光名所で食レポを垂れ流している。
「A様…っ、遅くなってすみません…！ヒーローです…ッ、これで貴女は自由になれる…！！今まで何もできなかった俺を…ッ、どうかお許しください…！」
『…？』
男がもう大丈夫、解放されるのだと、対象へ泣き喚きながらそう告げる。しかしソイツがその言葉に返した言葉は俺の想像を遥かに上回る。
『よろしく、おねがいます。』
「…ッ、此奴。」
「あ、あぁ…ッ、違うのです…、もう良いのです…、もう…ッ」
赤黒く変色した傷だらけの腕を自ら何の躊躇いもなく此方へ差し出す、ずっと、何の躊躇いも、疑問も持たずにそうしてきたのだとソイツの【今】が証明して見せ、泣き続ける男の心傷を無意識に抉る。
『ぇ…？』
気付けば俺はそのやせ細った今にも消えてしまいそうなソイツを抱き寄せていた。
『ぅ…、ひーろー…？』
「…おう、ヒーローだ。もう大丈夫だ。」
ソイツも心の奥底でずっとこの痛み、苦しみしかない生活が嫌だったのか、本能なのかは知らねェが。ぼろぼろと涙を流していた。
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引きこもり隊 - 上げて落とす！！もう、会社？の人たちひどすぎて途中真顔で見てた。最後に一言。 神作品をありがとう！！！！ (2022年8月17日 13時) (
レス) id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
?みさと?(プロフ) - まじでね…泣きました…目からハイドロポンプという個性目覚めました()ありがとう (2021年11月5日 20時) (レス) @page47 id: e07bc81cad (このIDを非表示/違反報告)
Asahi(プロフ) - kokonaさん» kokona様 お、おティッシュでお拭きくだされ…こんなんばっか書いてるのでまた見かけたらぜひ読んでやってください。お読みいただきありがとうございました！ (2021年10月2日 23時) (レス) id: 97c6c5a223 (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - 一気に読んで大号泣です……。 (2021年10月2日 23時) (レス) @page47 id: b89a5e7749 (このIDを非表示/違反報告)
マウントレーニア(プロフ) - ららさん» らら様 面白いだなんてそんなありがとうございます〜😭 (2021年10月2日 10時) (レス) id: 719f235832 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Asahi | 作成日時：2021年9月22日 0時
