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宮「2人っきりになっちゃったね」
「ふふ、そうですね」
宮「取り敢えず座ろうか」
少し茶目っ気に喋る宮舘様と相対して座り、ぬるくなった紅茶に口をつける。宮舘様は淹れたての紅茶を絵になるようにゆっくりとティーカップの縁を唇へとあてがう。
「それにしてもまさか宮舘様が真白様と知り合いだなんて驚きました」
宮「はは、それはこっちのセリフだよ」
「確かに、そうですね」
二人で話す機会は前にはなかったからか緊張で手が冷たくなってきた。
宮舘様は流石のトーク力というか、場を支配する力みたいなものでこちらに話をふってくれるため気まずくならない。正直めちゃくちゃ助かっている。
宮「さっきの、真白の言葉を君に言ったってことは、大体のことは知ってる?」
「まぁ、はいそうですね。婚約した理由は教えて頂きました」
宮「そっか」
「だから翔太様と話した時に形式上の婚約者という言葉を聞いて動揺されてたんですね」
宮「バレた?」
口元に手を当てて上品に笑う宮舘様。
流石ファンにロイヤルと言われているだけあってこの年齢で雰囲気が出来上がっている。
宮「……A嬢に聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょう?」
改まった声色で、話しかけられる。
一気に緊迫した雰囲気になり、お茶菓子へ伸ばした手をゆっくりと自分の膝へと戻す。
宮「真白の好きな人のことについて、どう思った?」
「どう、とは」
宮「女の子同士って、世間一般では疎まれてるからさ。俺も否定的ではないし、色んな人がいるとは思ってるんだけど、でも親戚ってこともあってね。第三者の意見がききたくて」
あぁ、やっぱりそうなんだ。
この世界は前世よりもそういうことについて進んでないみたい。
「自論ですけど、大丈夫ですか?」
宮「もちろん」
「……個人的思うのは、型にハマる必要はないのかなとは思いますね」
「世間的に男女が恋愛するのが当たり前だとか、婚約者を作るのが当たり前だとか言われてますけど、色んな人がいるこの世の中でそういうのってただの参考として捉えるべきだと思うんです」
「一般的に、というものであってそれに従順に従うべきではないのかな、と。同性の恋愛についても基準として考えられているから異端なものを排除したがっているだけだと思います」
「実際に、人の恋愛にどうこう言えるほど周りの人間は偉くなんてないですよ、無視でいいと思います」
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マスコット - 大好きな作品です(*^^*)もう更新されないんですか?めちゃくちゃ気になります (4月23日 2時) (レス) id: f0407dfffe (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 何度も読み返してニヤニヤしちゃってます。続き楽しみに待ってます✨ (7月3日 7時) (レス) @page40 id: e9ef2b1857 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 更新楽しみにしてます🥺 (6月20日 15時) (レス) @page40 id: e49244e76b (このIDを非表示/違反報告)
kazunoko(プロフ) - 3週目突入しました笑更新楽しみにしてます! (2023年3月12日 17時) (レス) id: 38c9d09af9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - uzuuzuさん» 応援ありがとうございます!励みになります🤍 (2023年3月3日 19時) (レス) @page40 id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2023年2月7日 22時