ポジションが悪役令嬢だなんて聞いてません！

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……気まずい。
彼の本心が聞けたことはすごく嬉しいけど、何だかその言葉にそわそわしてしまう。嬉しいような、恥ずかしいような。

というより、私これから翔太くんって呼べる気がしない、絶対緊張してしまう。


「翔太よかったね」
「ん？」
「だってA嬢と仲良くなりたいって前から言ってたもんね」
「ッッ……ゲホッ」
「え、そうだったんですか！？」
「ちが、いや違くは無いけど、おい涼太！！」
「だって前俺にそうだ」
「あーーーーーーー！！！！ 仲良くじゃなくて知りたかっただけ！！！！ そう！！ 趣味とか！！」


雪のように白い肌を真っ赤に染めて宮舘様の方を揺さぶる渡辺翔太。わー、酔う酔うと言いながら笑っている宮舘涼太。

あぁ、弄ばれてるなこれ。
恐らくその質問を意図的にしたんだろう。見てる分にはすごく面白い。

宮舘様の相手に疲れた翔太くんはぐったりとしながらソファへと腰掛ける。


「そういえばA嬢はさ」
「なんでしょう」
「翔太のこと好きなの？」
「んぐっけほっ……！！？？」


まさかのこっちに飛び火してくるとは思わず紅茶が変なところに入ってしまう。まって、その質問されると思ってなかった、パニックパニック。


「だって結構ゴリ押しして婚約したっていう噂があるからさ」
「うわさ！？ いや、そのその説は本当に……いや好きではあるんですけどその好きじゃないというか、いやあのもうほんとに傷のことは気にしないでください」
「傷？」


首を傾げた宮舘様に一から説明をする。この話自分で説明するの嫌すぎるな。他人から尾ひれをつけられるのも嫌だけど。

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