ポジションが悪役令嬢だなんて聞いてません！

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「ふふ、仲がいいんですね」
「あ、すみません」
「そうなんです、幼馴染ですから」
「ちょ、涼太」
「そうなんですね」



思わずぽつりと呟いてしまった言葉にはっとしたように反応して謝る翔太様は宮舘様の発言に驚き咄嗟に彼の口元を抑えようとしている。彼らの絡みは前世から大好きだからついつい口角を上げてしまう。


「いえ、気にしてませんよ。それに宮舘様とお話している翔太様のほうがなんだか''らしくて''私は好きです」


まぁとはいえ翔太様と交流するようになったのはつい最近ですから全然分かってないんですけどね、と後付けをする。実際には前世でプロフィール帳付きの攻略本を買ったから知識としては当然あるんだけれども。


「らしい、ですか」
「はい、とっても楽しそうでみていて私まで楽しくなってしまいます」
「よかったね翔太」
「いや、は、え、」


困惑しながらこっちを見る翔太様と話を続ける宮舘様。


「A嬢はどっちの翔太のほうが好き？」
「どっち、とは？」
「俺といる時の翔太と君といる時の翔太」
「……うーん、それはまた難しい質問ですね」
「はは、そう？」
「でも、どちらも彼ということに変わりはないので私はどちらも好きですよ」


私の発言に宮舘様は満足気に頷く。


……そういえば、宮舘様ってヒロインや生徒の女の子に対して確か姫とか様づけだった気がするけど気のせいかな。


まぁそんなことよりもさっきまで騒いでいた翔太様が私たちを凝視して目を見開いていることの方が気になりはするんだけど。

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