◇ ページ18
・
「新しい家族が増えたんですね」
「えぇ、とてもいい子で助かっています」
「俺もぜひお会いしたいですね」
蓮くんと距離が縮まって数日後、翔太様がまたうちの家に訪れたので応接室で対応する。
彼の敬語は未だに慣れないが会うのは3回目なのと新しい家族という話のネタがあるおかげで今回は沈黙が続くことはなさそうで一安心である。
「どんな子なんですか？」
「私の事を姉さんって慕ってくれるとても可愛らしい子ですよ」
「……へぇ、A様はその子のことをなんて呼んでいるんですか？」
「名前にくん付けですかね、お願いされてしまったので」
そう、あの後彼は私を見かけたら遠慮がちに駆け寄ってきてくれたり、夕食の時も両親にお願いして隣に座ってくれたりする。「姉さんって呼んでもいいですか？」なんてお願いされたときは二つ返事で了承してしまった。
様付けも敬語もなくていいって言われたけど、今は一人の人間とはいえ乙女ゲームにハマっていた私からするとゲームの世界の王子様という認識が抜けなくて緊張感がすごいので蓮くん呼びで我慢してもらった。本人は少し不服そうだったけれど。
「前は俺のことも翔太くんって言いながら付きまとってきたのに……」
「？ えっと、」
「やっ、んん、なんでもありません」
翔太様はごほんとひとつ咳をしたあと、なにか考え込んで私へと向き直る。
「あの、もし良かったら次は俺の家に招待させてください」
「えっ、いやそんな」
「婚約者なんですから遠慮しないでください、それに俺ばかり招かれるのも失礼ですし｣
「いや、遠慮なんか」
「また日を改めて連絡しますね」
コトリ、と紅茶を置いたあと深くお辞儀をしてその場を去る翔太様。
「いや、いやいやいや、まって嘘でしょ」
後日、私は本当に届いた正式な招待状に頭を抱える羽目になる。
(総合1位にお気に入り登録者1000人越え、そして殿堂入りまでするなんて思っていませんでした、たくさんのコメント含め感謝の気持ちでいっぱいです、ありがとうございます！物語の都合上メンバーが全然出てこずモヤモヤさせてしまって申し訳ないです、少々お待ちください……！幼少期パートはあと2人ほど登場予定です。また、設定に不備がありましたので目黒蓮:9歳、白鳥A:10歳へと変更させていただきます)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1394人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マスコット - 大好きな作品です(*^^*)もう更新されないんですか？めちゃくちゃ気になります (4月23日 2時) (
レス) id: f0407dfffe (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 何度も読み返してニヤニヤしちゃってます。続き楽しみに待ってます✨ (7月3日 7時) (レス) @page40 id: e9ef2b1857 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 更新楽しみにしてます🥺 (6月20日 15時) (レス) @page40 id: e49244e76b (このIDを非表示/違反報告)
kazunoko(プロフ) - 3週目突入しました笑更新楽しみにしてます！ (2023年3月12日 17時) (レス) id: 38c9d09af9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - uzuuzuさん» 応援ありがとうございます！励みになります🤍 (2023年3月3日 19時) (レス) @page40 id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：時雨 | 作成日時：2023年2月7日 22時
