白昼夢の羊 (ページ12)

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「…皇輝さん、眠いです」

『じゃあ寝れば？』

「ソファ座ってるじゃないですか、」

夜も良い時間になって眠気が襲ってきてあくびが出る

昨日もいつの間にかここで寝ていて、起きた時にソファだったから私の寝る場所はここなんだろうな。と思って皇輝さんに問いかける

すると、退いてくれるのかと思ったらそうじゃなくて…

読んでいた本を机に置いてソファから立ち上がった皇輝さんは私の腕を引いて、リビングの電気を消すとそのまま寝室に入り、ベッドに引き込む

『風邪引いたら困るから』

「え、でも…！」

『壁側で寝て。俺こっちで寝る』

「わ、私ソファで寝ますから！」

『逃げるつもり？リビングの方が逃げやすいもんね、』

「そういう訳じゃ…あーもうっ、わかりましたよ！」

押し込まれてしまえば抵抗なんて出来なくて、諦めて大人しく寝転べば隣に皇輝さんが寝転んで軽くベッドが沈む感覚

彼を見ればパチリと視線が重なってなんだか体がムズムズしてくる

落ち着かなくて寝返りを打とうとした時、皇輝さんの手が私の手に触れた

手首で縛られた紐を軽く撫でて手を重ねる。それに何故か安心して、そのまま誘われるようにスッと眠りに落ちていく。

心地良い夢の中、皇輝さんの声が聞こえた気がした