白昼夢の羊 (ページ18)

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「皇輝さーん、お風呂上がりましたぁ…ってあれ？」

先に入って良いよ、って言ってくれるからいつもそれに甘えさせてもらって先にお風呂に入らせてもらう

今日もそんな感じでお風呂から出た後、皇輝さんに声をかけながらリビングを見渡すとソファの上で眠っていた

皇輝さんの寝顔を見るのはこれが初めてだ…

いつもは私よりも後に寝て朝は先に起きてるから皇輝さんの寝顔は見たことなかった

『はぁ、んっ…』

「…皇輝さん？」

暫くその顔を眺めてみると、気持ち良さそうだった寝顔がどんどん崩れていって息が上がっていく

寝苦しそうな、つらそうなその姿に名前を呼んでみたけど反応はない

『はぁ…はぁ…なん、で…』

「大丈夫ですか、」

『ん、星輝…ごめん。はぁ、うっ…』

「皇輝さん！」

酷くうなされて苦しそうな皇輝さんの肩を揺すってなるべく大きめな声で名前を叫べば、皇輝さんがハッと目を覚ます

上がった息を整える皇輝さんの顔を覗き込むと、私の顔を見るなり彼の手が確かめるように私の二の腕に触れる

その手が首の後ろに回り、力任せに引き寄せられて皇輝くんの胸に収まる

ビックリしすぎて、どうすべきか見つけられない

『ごめ、ん』

「大丈夫ですか？凄くうなされてましたけど…」

『…少しだけ、こうさせて』

「わかりました」

何かにすがるように私から手を離さない彼の頭を優しく、ゆっくりと撫でる。

自分が持ち得る限りの優しさと温かさで包み込むことで、彼の何かを取り除きたかった

寝言で言っていた…星輝さんって、誰だろう