白昼夢の羊 (ページ16)

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黒田「Aちゃーん！！」

「え、あ、黒田さん…？」

あれから皇輝さんはボーッとナイフを見つめることが増えた

どうしたんだろう？と疑問に思いながらもなかなか聞けなくて…

ナイフを見つめたりたまに手に取ったりする彼の瞳は真っ黒で、心が見えないからちょっとだけ怖い

そう思いながら過ごしていると、今日は黒田さんと織山さんが来た

黒田「えー！俺のこと覚えてくれてたの？黒ちゃん嬉しくて泣いちゃいそう♡」

織山「うるさい、ちょっと黙ってろ」

黒田「痛っ！ちょっと！」

『ここまで来て喧嘩するなら帰ってくださーい』

黒田「違う違う！ちゃんと用あるもん！ね、おり！」

黒田さんに話を振られた織山さんが、こくりと頷く。

さっきまでの柔らかかった皇輝さんの表情が変わり、暗くなる

心配になって口を開きかけた瞬間、黒田さんが私の手を掴んで服の袖を捲り上げて腕を見た

「黒田、さん…？」

黒田「良くなってきてるね」

「へ？あ、はい。薬のおかげで…」

黒田「最初見たときビックリしたんだからねー？でも、元気そうで良かった。安心した………後は皇輝くんなんだけどね～…」

そう意味深に呟いた黒田さんは、皇輝さんと織山さんが消えていった部屋をじっと見つめていた

織山「…見つかるのは時間の問題だよ、篠宮家と連絡取れなくなったことが騒ぎになってる」

『…そっか』

織山「近々篠宮家での悲惨な状況が見つかって、捜査が始まるはず。皇輝くん、今からでも…」

『逃げないよ、俺は』

織山「…篠宮Aのことはどうするの」

『例外はない、そう…………思ってたんだけどさ。人間の感情って難しいよね』