...怒っ、てる? ページ33
"…起きたか"
A) っ!!!
全く気配が無くなった矢先、突如耳元でそう問いかけられた。
Aは開けることの出来なかった瞼を勢いよく見開いた。
先程の2人の姿を探そうと、躍起になって視線を周りに向ける。
A) …?!
Aは先程の静かな空間が幻だったことを思い知る。
なぜなら、Aの周りにはざっと5、6人の男女が立っていたからだ。
Aの体は台の上に固定され、上半身の服は脱がされ、手足は妙な枷(かせ)で拘束されている。
部屋は薄暗く、ろうそくの火がない場所に立っている人間は顔も確認できそうにない。
A) ガタガタッ ジャラッ
っ。(…力任せには無理そうだな)
Aは身動きが取れないのを確認すると、周りの人物が意識を取り戻したAに気づく。
?) 意識、戻ったみたいよ。
マチ) …あんたも運が無いね。
A) …お前っ(( ブスッ
ぐっ、うっ?! ジャラッ!!
Aは突如襲いかかる激痛に身を捩り、鎖がぶつかり合う音が響く。
シャル) うわぁ、麻酔無しの無防備状態でしょ?
流石にエグいね…。
?) もう少し寝てれば良かったのに。
?) 寝てても傷口に針刺されれば流石に起きるね。
Aは、周囲の話し声が聞こえなくなりそうな程の激痛に、我慢出来ない声が漏らしながら、台の上で暴れ回る。
A) っぐぅ!! ガンッ
いっ、ぐっ、ん゛ん゛っ!!ガタッ
マチ) …ハァ ちょっと、この子の口塞いで。
集中できない。
?) 何故ね?苦痛の声聞くのが醍醐味よ。
マチ) あたしゃ、あんたとは違うよ。
…ほら、ヒソカ、早く。
ヒソ) …ああ、僕かい?
マチが手を止めると、加わる激痛が少し和らぎ、Aは荒くなった息を整える。
そして、聞き覚えのある声に、少し反応を示した。
A) フーッ フーッ
…ヒソ、カ?
Aがそう呟くと、ちょうど横たわっているAには見えない位置にいたであろうヒソカが、顔を出す。
ヒソ) …やぁ。驚いたよ。
帰ってきたら、君が血塗れで倒れてるんだもの。
(僕以外にこんな傷を負わされるなんて…。)
ヒソカは冷たい瞳でAの体の大きく切り裂かれた傷口を眺める。
雰囲気も、Aの知っているヒソカとはどこか違うように見えて、不安がよぎる。
A) ハァ ハァ(…ヒソカだけど、なんか、変だ。
これは、まるで、)
…怒っ、てる?
Aがそう囁くとヒソカは、少し驚いた顔をした後にっこりと笑ってAの頭を撫でた。
ヒソ) …どうだろうね。(ボソッ)
49人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シロ(プロフ) - 1章の字を間違えてました、すみません...。 (2020年2月10日 10時) (レス) id: 6110f6241d (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 凜々子さん» 凜々子さん!!ありがとうございます!!一生から読み続けてくださり、その上嬉しいコメントも頂けて、感無量です!ちょっと本気で涙が出そうです!!私も私の作品に触れてくださっている読者さんが大好きです!!(迷惑だったらごめんなさい!) (2020年2月10日 10時) (レス) id: 6110f6241d (このIDを非表示/違反報告)
凜々子(プロフ) - 一章からずっと見続けてます!やっぱりとても面白いです!十星押しときました!これからも応援してます!めっっっちゃ好きです!(唐突の告白) (2020年2月10日 10時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シロ | 作成日時:2020年2月5日 23時