じゃあ、行ってきます！ ページ50
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クロロの不安を他所にAはヒソカの待つ森に走っていた。
A) …よし、頑張るか！
Aはクロロに応援されたのを励みに気合を入れた。元々、あまりハンター試験に乗り気では無かったAだが、クロロの言葉で自信がついたのだ。
A) お、ヒソカ！
Aが森につくとちょうどヒソカも来たのか、ばったり鉢合わせた。
ヒソ) や♡クロロとのお別れは済んだかい？
A) バッチリ！
Aはヒソカにブイサインをして見せた。
ヒソ) そっか♧
ここの子達には？挨拶するんだろ？
ヒソカはそう言って森を指さす。
すると、ゾロゾロと森の住民たちが長を筆頭に集まりだしてきていた。
A) 皆！！
Aは長に駆け寄る。
長) A、お前が初めてここに来た時のことを今でも覚えている。…大きくなったな。
昔は、自ら人と接する機会を断ってきていたお前がまさか、人の試験を受けに行くことになるとはな。
長は笑った。
長) 頑張ってこい。Aよ。お前は強い。どの世界でも生きていけることを証明するのだ。
長がAの頭に手を置く。すると、他の住民も口々に
頑張れ！
負けんな！
また顔見せろよ！
気をつけてな！
お土産よろしく！
元気で！
そう、Aを励ました。
もちろん、この声はヒソカにはただの動物の唸り声や鳴き声にしか聞こえていないのだが。
A) …っ！！
この際、お土産とか言ったやつも許す。皆、今まで本当にありがとう！また、絶対顔見せに来る！
俺、ハンターになって帰ってくるから！
そう言って笑ったAの瞳には溢れんばかりの水滴が溜まっていた。
長) 何を泣いている。お前はオスだろう。雄がないていいのは？
A) ！！
…勝負に勝った時と家族が死んだ時。
長) そうだ。だから泣くな。お前の人生と言うのはな、今日から始まると言っても過言ではない。
過去に囚われているような生き方はみっともないぞ。
長の厳しくも愛情溢れる言葉にAはどれほど勇気を貰ったことだろう。
もう、Aの瞳に迷いはなかった。
A) …悪かったな！
じゃあ、行ってきます！
Aの表情は曇りひとつない晴れ模様だ。
Aはヒソカに、終わった合図を示し、森の皆に深く頭を下げて去っていった。
ここからが本当の冒険の始まりである。
＿＿＿＿
長) (A。お前の生きる世界はやはりそちら側だ。＿奴がそう言っていた。)
長は泣きわめく仲間とともに森へ帰っていった。
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作者名：シロ | 作成日時：2019年11月3日 22時
