約束だ！ ページ49
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A) クロロ！起きろ！おはよう！
Aの声が響く。
クロロはそんないつも通りの朝に確実に安心感を感じていた。
昔なら誰かのそばで寝るなんて考えられなかった自分が誰かに起こされる日が来るとは。
クロロはそんな生活に自分でも少し驚いていた。
クロ) おはよう、A。相変わらず朝が早いな。
クロロは椅子に座り、いつもAがいれてくれるコーヒーを飲み始める。
ちなみに、このコーヒーの淹れ方もクロロ直伝の方法だった。クロロはどんどん自分の生活にAを染めていっていた。
Aはいつもより、少し慌ただしく家を駆け回っている。元々、落ち着いていられない性分だが今日は少し違和感があった。
クロ) A？どこかに出かけるのか？
A) ん、あ！！そーいえば言ってなかった！
今日から何日だろうな、ちょっと忘れたがしばらく家を空けるぞ！
クロ) これはまた急だな。理由を聞こうか。
A) ハンター試験を受けに行くんだ！
クロ) ？？！
…それはまた、何故？
A) 話すと長くなるんだが、そうだな、キルアに誘われてしまったから仕方なくって感じだな！
クロ) (また、キルア……。いや、歳も近いし仕方ないか。そういう年頃だ。)
クロロは子供相手にまで嫉妬しそうになっている自分の重さに我ながら呆れた。
クロ) そうか。Aが決めたなら仕方ない。
受けるからには必ず受かってこいよ。
クロロはそう言ってAの慌てすぎて少し乱れている頭を整えてやった。
A) ん、ありがと。じゃあ、行ってくる！
そう言ってAは玄関のドアを開いた。
クロ) ん、ちょっと待て。A、お前極度の方向音痴だが、会場まではどうやって行く気だ。
A) んー、勘？俺の勘は当たるからな！
クロ) 方向に対してはめっきりだろう。
クロロは一気にAの今後が心配になってきた。
A) 冗談だ笑…わ、やべ時間だ！
Aは慌てて走り出しながらクロロに衝撃の事実を告げた。
A) クロロ！心配しなくても俺は一人で行かないぞー！！！ヒソカと行くからぁ！
クロ) …は？
クロロが動揺しているあいだもどんどんAは離れていく。
A) 俺、絶対ハンター試験合格して帰ってくる！！約束だ！
そう言って眩しい笑顔を見せたAをクロロには引き止めることは出来なかった。
クロ) (よりによって、なぜヒソカなんだ…)
クロロの不安は募るばかりである。
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作者名：シロ | 作成日時：2019年11月3日 22時
