彼は神の子悪魔の子 (ページ5)

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お前、何をした？！ページ5

Aがハクに導かれた場所はとても広い"森"だった。
1度はいるともう後戻りはできなそうな、禍々しいオーラを放つ"森"だった。
普通の人間なら怯えて入ることを躊躇するだろうがAは違った。
躊躇しなかった理由のひとつはハクへの絶大なる信頼であり、もうひとつはクロロ譲りの好奇心、そして何よりAは動物が好きだったのだ。

森には多様な生物が生息していると踏んだのだろうか。
Aとハクは全く怖気付く素振りもなく颯爽と大胆に森に入っていった。住処を探して。

その森はまだ世間には知られていない生物の宝庫だった。
それもそのはずで、その森は死の森と呼ばれていて人が寄り付かないのだ。
なぜなら、多様な生物と言ってもその7割は凶暴な肉食獣や、猛毒の植物だったからだ。

初めはAも苦戦を強いられていた。
特にAは育ち盛りのため有毒植物によく当てられかけてこれもまたハクに命を救われていた。

森に1人で住んでから2年ほど経つとAは森の住民とのコミュニケーションが取れるようになっていた。
Aのしつこいスキンシップとアプローチに折れたのだ。
Aはとにかく頑固だった。更に瞳には相手に否と言わせぬ不思議な力があった。
＿＿そんなある日、

A) ハク、何処だ？

朝早くからAはハクを探していた。
いつも勝手にいなくなっていたが、ここ2年程はずっと共に生活していたため、Aは友の不在に不安を感じたのだ。
嫌な予感がした。

A) ハク…((侵入者だ!!
ッ?!!! こんな時に！

森の住民からの警告に嫌な予感が的中したことを確信したAはすぐ様、森の入口付近に走り出した。
Aは森の守護と言う役割に当てられていたのだ。
自分から買ってでたのだが。
走ってる最中にもハクの身を案じながら。

A) 誰だ！！ここは俺の許可無く立ち入ることは許されていない！
…?!

Aはハクの捜索を邪魔した要因に明らかにイラついた様子で話しかけた。
と、同時に侵入者を視認して目を見開いた。

A) …ク、ロロ？

侵入者) …?!! ッ！ A!!

侵入者と言われた男はAの故人であり、かつて約束を交わしたクロロ=ルシルフルだった。
その腕には、ハクが抱かれていた。

A) ?!ハク!!
クロロ、お前、ハクに何をし((クロ) 誤解だ。
…？

クロ) ハクが急に飛びかかってきたんで少し眠ってもらっただけだ。
しかし、反射とはいえ済まないな。