ここは...?! ページ4
いつまでも共にいられると、こんな日が続くと思っていた。
が、ことごとくその夢は砕かれた。出会って4年が経ちAが8歳の時だった。
全ては現実の非常さゆえ、2人は離れることになるのだ。
A) じゃあ、またな!クロロ。
4年間、世話になった。元気でやれよ!
クロ)…A。。
あぁ、そうだな。一足先に外で待っててくれ。
そして、また必ず会おう。
まだ年端も行かぬ少年が、事実無根の濡れ衣を着せられ追放されることになった。
Aが全く苦痛を表情に出さないため、クロロも表情を繕っていた。
しかし、何ともやりきれぬ思いや不満が頭をかすめるのだ。
このまま、行かせてはならない。とどこかで警告されていたのかもしれない。
そんなクロロの不安をよそに、少年はたった4年あまりでまた、新大陸へ足を踏み入れる。
その小さな背中を、クロロはただただ見送った。
少年が見えなくなるまで、苦虫を噛み潰したような苦痛と今すぐに引き止めたい衝動をどうにか押さえつけながら。
男の判断は正しかったのか。
それはまだ、誰にもわからなかった。
_____
A) さて、どうしたものか。
Aは頭を悩ませていた。
何故なら、流星街を出てどこに行くか、何をするかがノープランだった為である。
それもそのはず、追放はとても急なものだったのだ。
そして、流星街追放とは即ち人間の中で最底辺の人間社会を追放されたということ。
つまり、どの人間社会集団にも属せないのだ。
なぜなら、彼は外の世界では存在していない人間なのだから。
そのため、彼は野宿場所を探し始めた。
すると隣を歩いていたハクが突然走り出した。
"ハク"とは、Aが流星街に落ちたあの日からずっとAのそばに寄り添っていたAの1番の親友であり、ペットの狼である。
毛並みや瞳の色がAと酷似しているため何かしらシンパシーを感じたのだろう。
Aはとてもハクを可愛がっていた。
ハクは昔からふとした時にそばに現れていてAを何度か救ってくれていた。
そして、いつの間にか消えているという、何やら不思議な力を感じる狼だった。
そして、A自身もハクといつ出会ったのか覚えていない。
A) ? どこ行くんだ?!
そんなハクが急に走り出したのでとりあえずAはついて行くことを決めた。
___ハクが止まった。
A)ここは…?!
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作者名:シロ | 作成日時:2019年11月3日 22時