うわっ！！！ ページ30
ヒソカはなかなか話が噛み合わない相手に戸惑っていた。
ヒソ) ……そう♡
思った以上に長話をして、やる気が萎えたのか、頭が冷えたのか、ヒソカの興奮がおさまる。
A) …？それはそうと、本当にお前は何しに来たんだ？残念ながら、お前が味見できるような食材はここには置いていないぞ？
Aは不思議そうに首を傾げた。
ヒソ) …そうみたいだね♡実際まだ熟れていないし、また来るよ♦
君が美味しそうに熟れたらその時は、ボクがいただくね♡
A) 俺は、果物じゃないぞ？
その言葉を聞いてヒソカは微笑し踵を返して去ろうとした。
ｸﾞｲｯ
A) ……ここで会ったのも何かの縁だ！
もし、時間があるんなら家によっていかないか？！
前までのAなら、絶対に言わない言葉。
クロロ以外の人間に心を開かなかった彼を変えた理由はゾルディック家に1年も居座ったからだろうか。
もしくは、久しく会っていなかった大切な人との別れが早すぎて、恋しかったのだろうか。
なぜだか、人の温もりを感じていたい。
そんな気持ちがAの心を蝕んでいた。
ヒソカは少し驚いた表情を見せて
ヒソ) 喜んで♦
笑みを浮かべてそう答えた。
いつもなら面倒な関係を避けるために女性からの誘いも暇な時にしかうけない。人を暇つぶしとしてしか見ていない男なのだが、何故か、Aのそばに居れることに喜びを覚えていた。
ヒソカが、そんな自分の気持ちに気づいていたのかは分からない。
＿＿＿＿
ヒソ) あぁ、そう言えば♡
まだ、ボク、君の名前を知らないんだよね♠
教えてくれるかい？
2人で森の中を歩いている時、不意にヒソカが尋ねた。
A) 何？！そう言えば教えてなかったな！
俺は、Aだ。よろしく、ヒソカ。
ヒソ) A。うん♣いい名前だね♡
A) ！！
…そうか、そうか！
ヒソ) どうしたんだい？
A) いや、名前を褒められた事って余りなかったから。素直に、嬉しいな！
そう言って頬をふにゃりと緩ますAの顔はいつも以上に歳相応の愛らしいものだった。
ヒソ) ♡♡
いいねぇ、その顔♦
やっぱり君はとっても可愛いね♦クロロが羨ましいなぁ♣
そういい、ヒソカは歩みを止める。それに気づいてAも歩みを止めてヒソカの方を振り返る。
A) どうしたんd ((ｸﾞｲｯ うわっ！！！
突然ヒソカがAの腕を引き、顔をぐっと近づけた。
ヒソ) …ねぇ、ボクを選ばないかい？
そう言うヒソカの目はしっかりと獲物を捉えていた。
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作者名：シロ | 作成日時：2019年11月3日 22時
