暇など俺にはない！ ページ17
イル) ねぇ、そろそろ起きなよ。...A。
反応はなかった。イルミは眠りについてまる5日経つAに向かって何度も語り掛けていた。さすがに心配しているのだ。
そして、兄の珍しい様子をキルアは何度も見かけ、その度にAに興味が湧いていった。
キル) (兄貴があんなに誰かを心配してるとこ、見た事ねー。しかも、それが家族じゃないとかちょっと信じられねーよなー。
...A、か。強かったな。何なんだろ、あいつ。)
＿＿＿
Aは何も無い部屋に1人で立っていた。自分がなぜこのような場所にいるのか、全く検討もつかないが、確かなことは今ここにいる自分は、精神のみだということだ。何となく、直感した。
A) (もし、ここが想像上の世界だとすると、何故ここに俺が呼ばれたのか。何か意味があるのだろう。とゆうか、どうすれば抜け出せるんだ？)
そんなAの考えに答えるかのようにどこからともなく声が聞こえてきた。
？) もう辛い思いをすることは無い。お前は死んだ。
ここで苦痛もなく、不自由もなく暮らすといい。
A) ...お前は、誰だ？
？) 分からないのか。共に育ってきたというのに。
A) ...共に？
その声の主はゆっくりとAの前に姿を現した。
A) ？！お前は！？
ハク？！ハクじゃないか！
そう、紛れもなく銀色の毛の狼、ハクであった。
A) ここで何をしているんだ？
ハク) 俺はお前をここに呼んだ。
A、ここで共に一生を過ごそう。
地上で愚かな人間共と過ごす必要は無いだろう。
お前は選ばれし子なんだ。
A) ...何を言っているんだ？というか、お前は誰だ。
ハク) だから、ハクだと、お前がそう呼んだんじゃないk((A) いや、どうやら勘違いだったらしい。
俺の知ってるハクは、決して人を嫌ってはいなかった。俺も同じだ。俺は人と共存するために生きる。
それに、探さなければならないやつがいるんだ。
Aはその後もつらつらと述べた。
A) お前が何者かは知らないが、俺の親友の姿で人を貶し、俺を騙そうとするなど...貴様の方こそ愚の骨頂だろう!!
Aは人よりも遥かに動物を好んでいた。しかし、同じくらい人間を尊敬していたのだ。
計り知れないエネルギーを、可能性を秘めている唯一無二の生物だとそう信じているからである。
ハク) ...。(まさか、ここまでとはな。)
A) おい、俺を今すぐ地上に戻せ。お前に構っている暇など俺にはない！
Aには生きる理由があった。
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作者名：シロ | 作成日時：2019年11月3日 22時
