嫁にはなれない! ページ15
A) お前は、何を言っているんだ?色気なんて雄に必要ねぇんだよ!この、陰湿女男が!
イル) は?殺すよ?
Aは、イルミの急な態度の変化に少し戸惑った。
A) そ、そもそも、お前が俺の服をとるからいけないんだろうが!返せ!寒い!
そう言い、意地になって服を奪い返そうとする体を簡単に押さえつけられる。Aよりイルミの方が純粋な筋力自体は勝っていたのだ。そして、イルミの方がリーチも長い。
しかし、そのせいでもっとAはムキになって怒った。
A) てめぇ、コノヤロウ!
必死に手を伸ばすAを眺めながら、イルミは目の前の全く危機感のない生物に呆れていた。
イル) (こいつ、この状況でほんとに何も感じてないの?頭おかしいんじゃないの。)
ハァ。
A) 何ため息ついてやがる!この!なめてんのか?!
イルミはAの色気の欠けらも無い言動に一気にやる気が萎えたため、Aを押さえ付けていた手を離した。
A) 服は?!
イル) 髪が付くから切り終わってからね。寒いんなら大人しくしてて。髪切らないと食べ物、ないから。
Aは食べ物のため、渋々従わざるを得なかった。
悔しそうに指示された椅子に座るのと同時に部屋のドアが勢いよく開いた。
A) !!
ドアをあけた主は顔半分が機械のようなもので覆われている女性だった。
Aはこの人もまたイルミの家族だろうか、と思いイルミに目を向ける。
イル) …母さん。もっと静かに入りなよ。
イルミの母親だった。
?) まぁまぁまぁ!貴方がイルミのお嫁さん候補の!!確かに可愛らしい子だわ!ええ!とても!
Aは意外すぎる女性のテンションの高さに驚きすぐに間違いを訂正できなかった。
彼女は今までのイルミの家族の中で、Aに異様な印象を与えたのだ。
否、彼女以外が恐ろしいほどに無口なだけかもしれないが。。
A) あ、いや、違((イル) うん、そう。Aって
いうんだ。
?) まぁまぁ!それはまた可愛らしい名前だわ!ってあら、男の子?
彼女はやっとAの体を見て理解した。
この時は、服を脱いでいて良かったとAは思った。
A) そうだ!だから、申し訳ないがイルミの嫁にはなれない!
Aは勝ち誇った顔でイルミを横目にそう、女性に伝えた。
?) あらあら!気にすることじゃないのよ!性別なんて!変えようと思えばいくらでも変えられるもの!
そう言われ、ニコリと微笑まれたAの顔は引きつっていた。
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作者名:シロ | 作成日時:2019年11月3日 22時