...は？ ページ14
Aは、肩の痛みを振り払うようにイルミの言葉を大きな声で否定した。
ｷﾞﾘｷﾞﾘｷﾞﾘｯ
A) ッ！！
肩に込められた力が増していく。周りの空気も心無しかどんどん重たく禍々しくなっていく。Aの体から冷や汗が吹き出しそうになったその時
ﾊﾟｯ
肩の骨が折れそうになる直前、急にピタリとイルミの圧迫が止まった。
イル) まぁ、まだいいや。とりあえず風呂、入りなよ。キル、服貸してあげて。
Aは急な空気の変化と心身の疲れからその場に崩れ落ちた。そして、息を整え、見上げた先にはキルアが服を持って見下ろしていた。
キル) …ん。
Aは服を手渡してくるキルアから、とりあえず服を受け取った。
イル) じゃあ、悪いけどキル、Aのこと案内してあげて。俺、することあるから。
キル) …分かった。
キルアの短い返事を聞くとイルミは満足そうに部屋をあとにした。
残されたAは、呼吸を整え立ち上がろうとする。が、うまく立ち上がれなかった。
キル) …ん。
Aの目の前にキルアの手が伸ばされていた。
A) 有難いが、必要ない。俺は1人で立てるぞ！
そう言い、意地を張ってAは何とか立ち上がった。
Aは人に借りを作るのが嫌いだったのだ。
キル) …じゃ、着いてきて。
そして、残りの2人もイルミの部屋を出ていった。
＿＿＿
Aが風呂から上がると、そこにはイルミがいた。
イル) ん。上がったんだ。じゃあ、もっかい部屋来て。髪切るから。
A) お前のか？
イル) いや、お前の。
A) 必要ない！
イル) 必要ある。それじゃウザったいし前が見えなくて戦いづらそうだったじゃん。
A) 俺は他人に体を触れられたくない！
Aがそう言うとイルミは歩みを止めて、めんどくさそうにAの方を向いた。
ｸﾞｲｯ
A) うぉ！？
そして、Aを持ち上げて部屋まで強制連行した。
A) おい、下ろせ！おい！
イル) …。
イルミはAの言葉を無視してつかつかと廊下を歩いて部屋まで連れていった。
ﾄﾞｻｯ
ｺﾞﾝｯ
A) いっ！！だぁ！
イルミは部屋につくなりAをベッドに投げ捨てた。その時に壁に頭を打ち付けたAは痛そうに頭をさすった。
A) …乱暴に扱うんじゃね((イル) うるさい。
そう言ってイルミはAがせっかく着たシャツを強引に脱がせた。
A) おい！何しやがる、寒いだろうが！
イル) …ほんとにお前は色気がないね。
A) …は？
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作者名：シロ | 作成日時：2019年11月3日 22時
