絶対にお断りだ！ ページ13
イル) ここが、俺の部屋。まずは風呂と着替えが必要だからここで待ってて。
Aはそう促され、部屋に入った。
部屋の中はこれまた殺風景で、最低限の必須家具であるベッドと、椅子、机しかない。
A) (まだ、流星街の連中の方が家に活気があったな。)
などと、少し皮肉じみながら待っていると、部屋の外に気配が現れた。気配はAのいる部屋の前で止まった。
A) (さすがに戻ってくるのが早すぎる気がするな。それに、何となく足音と雰囲気が違う気がするぞ。)
その違和感は確信ではなかったが、Aは念の為、身構えた。ドアに神経を集中させる。
ｶﾞﾁｬ
そこに入ってきたのは少年だった。多分、Aよりも年下と思われる彼はAを見るなり、襲いかかってきた。
Aは身構えていたため何なく攻撃をいなすことが出来た。しかし、まだ猛追が続く。
恐らく、この家にいる以上イルミたちの関係者か家族だろうから反撃はしないようにしていたが、Aもあまりにしつこくされると年相応にイライラしてしまった。
そして、つい、自分の命を狙ってくる少年の体制を崩し馬乗りになってナイフを振り下ろそうとしてしまった。
ｶﾞｯ
A) ！！
Aは我に返り、自身の手を掴んだ相手を見やった。
イル) ちょっと。それ、俺の弟だから。やめてよね。
そう言いイルミはAと少年を引き離した。
A) …正当防衛だ。そいつが先に俺に攻撃を仕掛けてきた。
イル) あれ、やっぱり？いやー、ごめんごめん。弟にAのこと伝え忘れてた。
全くもって謝る気の無い態度にAはイラつきを覚えた。
イル) これ、弟のキルア。ごめんね、血気盛んな年頃だから。で、キル、これはA。近々俺たちの家族になるやつ。
A) ……は？
だから、殺しちゃダメだよ。と、弟に指導しているイルミの言葉をAはしばらく理解できないでいた。
キル、と呼ばれる少年がこちらに目を向ける。Aは少年と初めて視線が交わった気がした。
キル) …兄貴の、嫁？
キルアは少年らしい高い声と、真っ直ぐな眼差しでAを見つめる。
普通の人なら、否とは言えない。
しかし、Aは違った。
A) 全く違う。全てが違う。
誰が好んでこんなやつの嫁になるk((イル) いや、もう決まったことだから。
！！(いつの間に背後に?!)
イルミはAの肩に手を置きギリギリと力を込め始める。
イル) お前は俺の、嫁なの。分かった？
A) 絶対にお断りだ！
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作者名：シロ | 作成日時：2019年11月3日 22時
