彼は神の子悪魔の子 (ページ2)

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連れていけ。ページ2

流星街。
そこは何を捨てても許される場所。
そこに住んでいるものは世間の誰にも認知されていない、忘れ去られた街。

そこにまた新しく″ゴミ″が捨てられた、否、空から降ってきた。
ものすごいスピードで光を放ちながら幸いにも人が居住していないゴミ山の上に墜落した。
砂埃が舞い上がりその墜落がどれほど大きな衝撃だったか容易に伺えるその凄惨な場所に、異様な風景があった。
少年がいたのだ。
無傷であったのは奇跡だろうか。
まだ幼く、それでもどこか大人のような凛とした風貌をたずさえて。
長い銀髪をなびかせ立っている、酷く美しい少年が。

今、物語の歯車はゆっくりと回り出す…

＿＿＿＿
？) (確か、この辺に落ちたな)

男は先日落ちた巨大な飛来物の残骸を探していた

？) (あそこまで大きいものは滅多にない)

いくら流星街と言えども所詮は人によるゴミ捨て場。
それがまさか文字通り天から″流星(ゴミ)″が降ってくるとは誰も予想などしていなかった。

？) ·····やはり、燃え尽きたか。

あんなに燃えていたのだから仕方ない。

？) 無駄足かぁー。。

流星街ではよくある事で、生きるために、何かしら自分でゴミの中から使えるものをかき集めお金にしなくてはならない。
この男は、滅多にない空からの贈り物に大きな宝物の予感を感じ駆けつけてきたのだ。

？) 仕方ない。戻るか。

男は小さくそういうと元来た道を引き返そうと振り返った。その時

ｻﾞｯ

何かが目の前を横切った。
ゴミ山とゴミ山の間を縫って素早く移動した生き物がいたのだ。
男は腕に自信があったが、ここまで早い生物は稀に見るもので興味が湧いた。
男は好奇心がとても強かったのだ。

？) 誰か、いるのか？

男は周囲を警戒しながら近くにいるはずの生き物にそう問いかけた。
しばらくすると

？) ·····何か、用？
？) ッ！！

今まで全くしなかった気配がすぐ真後ろに突如現れた。
男は驚きを隠せなかった。が、直ぐに冷静さを取り戻しゆっくりと後ろを振り向いた。

？) 俺はここに先日落ちた飛来物を確認しに来ただけだ。あんたに危害を加える気はない。

そう言いながら相手を視認した男の顔にまた違う驚きの感情が現れた。
相手はなんとも形容しがたい程の人外的な美しさを持った子供だった。

？) ·····そうか。けど、ここには何も無い。俺が既に調べた。だから、俺を連れてお前の仲間のいる所に連れていってくれ。

男は直感的に悟った。
彼こそが天から降ってきた″贈り物″なのだ。と。