食料だけ持っていこう！ ページ8
＿＿＿＿
Aは自分の何十倍もある大きさの、巨大な獣と戯れていた。
否、傍から見れば命懸けの争いをくりひろげていた。
ただの、戯れと思っていたのは本人達、いや、少年の方だけかもしれない。
獣の方からすればいつものように侵入してきた小さな子供を番犬として始末しようとしているのに、なかなか食べることができずストレスだらけだろう。
獣は何度も大きな前足でAを吹き飛ばしたり地面に叩きつけたりした。
もちろん相手の息の根を止めるつもりで。
しかし、しっかりと体を捉えた感触を感じているのに、気はなぎ倒され地面も大きく割れているのにそこに少年はたち続けているのだ。
とても、楽しそうに笑って。
全く、敵意を向けず、ただペットを愛でているかのように。
A) 楽しいなぁ！元気があってとても良い。
もっと遊ぼう！
2人の戯れはその土地の主人の1人の青年に見られていた。
？) …。
青年は気配を消し、その異様な光景を食い入るようにじっと見つめていた。
？) …結構もつなぁ。
…そろそろ、"ミケ"に餌をあげないといけないと思うんだけど。
使用人じゃあげられないみたいだし…。
…面倒だなぁ。。
青年はため息をついた。
＿＿＿＿＿1週間前
クロ) じゃあ、また今度。
A) ああ。また来週！楽しみにしてるぞ！
Aは美しい瞳を輝かせながらクロロを森の入口まで見送った。
A) さて、来週まで何をするかな。
ハク、何がしたい？
A) あぁ、確かにな！俺たちはまだ本物の山には行った事がなかったな！
ゴミ山はあるけどな！、そう言ってAは楽しそうに笑っていた。
傍から見ると大きな独り言でウケているおかしな少年だが、実際Aだけにハクの声が聞こているので仕方ないのだ。
A) よし、じゃあどの山がいいか、クロロが今日置いてってくれた本で探そうぜ！
そういい、1人と1匹はクロロの置いて行ってくれている本の山まで走った。
＿＿
A) どれがいいかなぁ…
ん、これは…殺人、一家の、屋敷…？
ククルー、マウンテン かぁ。
少年の目は輝き出した。
A) ハク！ここに行こう！楽しそうだ！
ハクもまるで確かめるかのようにそのページをに目を向けた。そして、返事をするかのようにAの目を見て首を縦にふる。
A) よし、そうと決まれば今すぐ出よう。
少し遠そうだからな！食料だけ持っていこう！
そう言ってAとハクは住民に行き先を伝え忘れてククルーマウンテンに向かってしまった。
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作者名：シロ | 作成日時：2019年11月3日 22時
