リルティングアワー7【BE:FIRST】

怪物、運命の出会い ページ42

.




【踊家 A】




Aひだかさんお疲れ様ですちょっと相談したいことが、というか大変なことが……
おつかれさま!どうした?既読


A?大丈夫?【不在通話】

Aすみません!バタバタしてました💦猫拾っちゃいました、《 子猫 写真 》







・




・





・








日高はその日残していた仕事を一旦全て放り投げて、大急ぎでAのマンションへ向かった。

出迎えられた彼女の部屋には、何となく予想のついていた面子……舜斗と礼王がそのモフモフを囲うように座っていて、自分の気配に苦笑いで視線を向けたのだ。




「お、お疲れ様です…！」

「やあレオも居たんだね。」

「この子達に呼び出されまして、猫用の餌等を一式買ってきました」

「オレオなら間違いないと思って頼みました」

「、また変な呼び方して……」




色んなことが気になる日高だが、Aの口から出た聞いたことのないメンバーの呼び名につい片眉を上げる。

レオニダスやニダスンと巡って、最近は年下らしからぬ“レオ”という呼び捨てに落ち着いていたようだが、ここに来てまたAの中で変なあだ名がブームになっているらしい。呼ばれた本人が気にせず受け入れているから、まあいいが。




「さて、それで……あらあら、」




日高がそっと覗き込む先、礼王と舜斗の大きな体に隠れていたのは、薄茶色と真っ白な2匹の猫。生まれたばかりではなさそうだが、まだ子猫と呼ぶに相応しい大きさ……生後半年経ったかというところだろうか。

ケージに敷き詰められたタオルの中でスヤスヤと眠っている。




「コムギとおもちです」

「えっ、なに、もう名前つけちゃったの？！」

「愛着湧くからやめろって、俺は止めましたよ」

「ええやんか、」




呆れた口ぶりの舜斗に反応するAの言葉から、彼女が何を考えているのか察した日高は思わず吹き出しそうになった。

彼女は決して馬鹿じゃない、むしろ賢い方だと日高は思っている。“相談したい”“大変なこと”とわざわざ呼び出しておいて この会話を聞かせるということは、もう心うちが固く決まっているのだろう。




.

怪物、ご存じの通り頑固者→←怪物、秘密(？)のにおい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す