リルティングアワー4【BE:FIRST】

怪物、引き寄せ体質 ページ24

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「…………おー、すげー状況だ」

「うちのミヅキって本当どこ行ってもモテるな」

「…………」

「シュント、ねえシュント」

「……なに……」

「、お前……本当にお前ってやつは……」




こちら楽屋外の廊下にて。
壮大、凌輝、舜斗のスピン組。

リハーサル前のヘアメイクを終えて戻ってきてみれば、自分達の荷物があるテーブルには 昨日挨拶したばかりのシンガー、それから超人気バンドのベース担当、J事務所の何人か。
側から見てヤバい連中に囲まれた中心に、我らのAがいる。椅子に座ったまま、周りの人を見上げてニコニコ応対していた。

壮大と凌輝は“すげぇ流石モテミヅキ”くらいに思っていたが、どうやら舜斗の心中は違うらしい。瞬時に鋭くなった眼光に、(どこに向けて嫉妬してんだよ)と思わず壮大は突っ込みたくなった。




「ちょっと３人とも！そんなとこで立ってないで、邪魔になるでしょ。飲み物飲んだらスタンバイして、ミヅキも呼んで…………あらら、あらら。

もしかしてあそこで埋もれているのは弊社のタレント？」




慌ただしく声をかけてきたのはBE:FIRSTの男性マネージャーである渡辺。楽屋の入り口を通せんぼしている３人に目くじらを立てる彼だったが、彼らの視線の先を辿れば同じように足をとめる。




「弊社の怪物っすね」

「弊社の姫君」

「弊社の馬鹿」

「……シュントは口が悪い。ほらほら、水飲むなら飲んで。…………ミヅキー、スタンバイの時間だから準備してくださーい」




我に返った渡辺が声をかけると、ミヅキ以外の視線も一斉にこちらを向く。「はい！行きます！」先程縮こまっていたのが嘘のように、ハツラツとした返事が響いた。

ジャンボリーがんばれぇ。と、J事務所の６人組グループの最年少が声をかけた。そのやり取りに(いつの間に仲良くなったんだ……)と、壮大と凌輝はヒヤヒヤする。舜斗の顔が見れない。

2人がそうしているうちに、おもむろに舜斗が楽屋の中に入って行って、テーブルに置かれたペットボトルを手にする。




「なあそれ私の水……」

「俺のやつねーもん」

「んん〜、……なぁっ、ちょっと残しといて」

「…………、」

「えっ、ちょっ、信じられへん！」




Aの目を見ながら顔を仰いで、ペットボトルにある残りを全て飲み干す舜斗。先輩アーティストがいる中で、彼の幼馴染に対する暴挙だけは健在だった。




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