新たな救い求めて【朝比奈まふゆ】【天馬司】 (ページ7)

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森の背景の前で、学校へ持っていくバッグを持った寧々はうろうろしている。
そこに司がやってきた。

司『お嬢さん、願いは決まった？』
寧々『うん』

きっぱりと司の方を見る寧々。

寧々『お母さんとお父さんを変えて』
司『………………………』
寧々『ねぇ！』

黙りこくる司をみて寧々は叫んだ。

寧々『なんで黙ってるの！叶えてよ！ねぇ！』

かなりヒスってる寧々を見て司は言う。

司『それは、本当に君の願いかい？』
寧々『……ｯ!』

まふゆ「……ｯ!」

司の一言を聞いて、まふゆの心は混乱して、それは手の震えにも現れた。心臓がかつてないほどに拍動し、地面が揺れて見える。

奏「まふゆ……？」

奏が心配そうにまふゆの顔を覗き込む。

まふゆ「だい……じょうぶ…。きに……しないで」
奏「でも…」

舞台の上では司が寧々に言う。

司『君の願いは君にもわからないけど、僕は知っている。本当は気づいて──』
寧々『なっ…… これが私の願いよ!』

寧々は打ち消した。

司『君はただ──』

司は唄うように言う。

寧々『──っ！』

　
　

司『愛されたいんだろ?』
　

　
　

寧々は自分を庇うようにうずくまった。

寧々『違う…！私は愛されて……』

その声は頼りない。

司『本当の意味で、愛されたいんだろ？』

寧々の背中につかさがぽん、と手を置いた。

司『僕の助けがなくても──君はできるさ』

そして司は歩き去った。

後にはうずくまりながらすすりなきをする寧々。

舞台は暗転する。

──

薄い幕が降りて、そこに寧々の家の背景が映し出された。

寧々、類、えむらしき影が浮かび上がった。

そこからは、笑い声が響いていた──

幕がゆっくりと閉じた。