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｢Aちゃん、そろそろ俺がおらんとあかんようになってくれた？｣
『……は、』
｢俺な、めーっちゃ我慢してんで？ずーっと好きやった可愛い子が俺のこと好きって聞いて、すぐにでも自分だけのもんにしてどこも行けんようにしてまいたかった｣
『なに、それって…』
｢やけどなあ、その可愛い子が別に付き合いたいわけじゃないとかお口だけ可愛くないこと言うもんやから｣
耐えきれなくなって目を逸らしたわたしの顎を優しく掴み、逃がさないとでも言うように目線を合わせられる。
｢やったら俺がおらな生きていけんくらい、頭ん中俺でいーっぱいにしてから捕まえてもええかなって｣
思考が止まっていた脳がやっと意味を理解した瞬間、
『ﾜｯ………』
と情けない声を出して顔を覆う。
無理だ、なんか、キャパオーバー。
｢なんそれ、ちいかわのモノマネ？｣
なんて楽しそうな彼は、わたしの身体を向かい合うように抱き抱え、
｢もう待たんよ、付き合ったらちゅーしてええって言ったよな？｣
『な、そんなこと言ってな…っ！』
｢まあ今日はこの辺にしといたるか、Aちゃんほんまに限界そうやし｣
そのかんじもかわええけどな、なんて言いながら膝からおろされる。
なんだか振り回されてばっかりなので、ちょっとだけ仕返ししてやろうと思い立つ。
『べつに、ちゅーしたくないなんて言ってない、です……』
｢あんまそういうこと言わん方がええよ？ほんまに可愛すぎてこの家から出してもらえへんようなるで｣
あまりにも真剣な目で言うので、隙をついて唇を重ねてやる。
『えへ、いただいちゃいました。わたしだって振り回されてばっかりじゃないんですからね！』
｢……ッほんまに、どうしたろかなこの子は｣
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作者名：にくまん | 作成日時：2024年2月11日 20時
