真昼の夢 (ページ8)

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なんでこんなことに……？

京極さんの家に着き、動画編集だけやってまうからちょっと待っとってな、と言われ。

こっち、とソファに誘導され、ながれるように膝の上にのせられ。

なんですかこの体勢？！と口を挟む暇もなかった。

京極さんの膝の上に横向きに座らされたまま、彼自身は黙々とパソコンで作業を続けている。

一体どういうことなのか、どれだけ考えても分からないし、京極さんが何を考えているのかなんてもっとわからない。

仕方がないのでおとなしくしていると、

『なあ、ちゅーしてええ？』

いつの間にかこちらを見ていた京極さんに声をかけられ飛び上がる。

『わっ……だめ、です！ダメに決まってます！お付き合いしてるわけでもないのに！』

｢そらだめよな、俺ら付き合ってないもんな｣

ははは、と何が面白いのか楽しそうに笑っている。

『もう、京極さん意味わかんないです…』

｢んー？何が？｣

『なんで振ったのにこんな私に構うんですか？もう放っといてください…』

我慢の限界で口から言葉がこぼれ落ちてくる。

『こんな体勢でいさせて忘れろなんて無理だし、意味わかんないことばっか言うし、』

｢俺、振ったつもりないねんけどなあ｣

彼の言葉に思わず目を見開く。

『だって、忘れてみろって…』

｢んー、たしかにそれは言うたけど｣

私の気持ちに反して彼はどんどん楽しそうな顔になっていく。
もう本当に意味がわからない。