真昼の夢 (ページ11)

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悪戯を思いついた子供のような顔をし、身体ごとこちらに向き直り覆いかぶさってくる。
重たい。

｢ずっとな、恋愛相手は知らんこと多い方が魅力的に見えるって思っとってんけどな｣
｢それ、Aに関しては全然当てはまらんかったんよ｣

手を重ねられ、付け根から指先までそっとなぞられる。

『ねえそれくすぐったい……』

｢Aのことはぜんっぶ知りたなんねん。不安なことも面倒くさいことも、ぜんぶ。｣

｢やから何も隠さんとって、全部教えて｣

『ふうん……』

表情筋が馬鹿になってしまい、嬉しさを隠せない。

｢なあに〜嬉しそうな顔しちゃって｣

んふ、と笑いがこぼれる。

なんか特別って言われているみたいで嬉しい、なんて思っていると、突然抱きかかえられ
ぐるんと彼の上に乗っかる体勢にされてしまう。

『ちょっと、なに急に』
｢そんなん言うてお顔ふにゃふにゃやで？｣

ほっぺたをふにゅふにゅと柔く揉まれたかと思うと腰を抱き寄せられ、含みのある手つきで撫でられる。
このままだと彼のペースにのまれてしまう！

｢私もう寝たいんですけど！｣

言葉で抵抗してみるも、スイッチが入ったかのようにニヤリと笑う彼の拘束からは逃げられない。

｢ええやん、Aの誤解が解けた記念に｣

『なんにも良くない！！』