真昼の夢 (ページ2)

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私は、あなたと一緒に死にたいんですよ。

口には出さず少し前を歩く彼に追いつくと、
｢俺よりちょーっとだけ長生きしてくれな｣とか言って少し寂しそうに笑っている。

『京極さんのいなくなった世界とか想像したくもない...』

｢俺かてAちゃんのおらん世界なんて絶対嫌や、でも俺は自分勝手やから最後までAちゃんのおる世界で生きてたいねん｣

｢なあ、俺の我儘きいてくれる？｣

しょんぼりした犬のような顔。

｢別に、いいですけど。｣

死んだあとも独り占めできるなら、貴方のすべてを見たあとに死ぬのも悪くないかもしれない。

『なーんてな、Aちゃん寂しがりやから俺がおらんと耐えられへんやろ？遠くの星なんかより幽霊なってずーっと傍におったるわ』
｢別に寂しがりじゃないですけど！それにわたし霊感ないから幽霊なんて気配だけじゃないですか！｣
無性に恥ずかしくなり照れ隠しで反論してみるも、微笑ましい、みたいな顔で軽くあしらわれてしまう。

『はいはい、てなわけで寂しがりなAちゃんは京極さんと手ぇ繋いで帰ろな〜』

｢2人とも手が冷たいから全然あったかくならないんですけど｣
『手つめたいAちゃんもかわええな〜』
｢完全に酔い過ぎですよね？！｣

酔った彼の甘々な態度も台詞もぜんぶぜんぶ大好きだけれど、今はわたしだけのものにしておきたい。
いつか星になっても探しちゃうくらいにはきっと、貴方のこと大好きだなあ、なんて。