(刀剣乱舞)無職ですが、何か？4(え？モテ期のゲシュタルト崩壊？) (ページ16)

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それは何て純粋なページ16

その日は非番で一日休みだったので街に出て色々な品を見てみることにした。商店に行けば簪や筆記用具など贈り物に適したものはそこそこあったけれどしっくりくるものが見つからない
薬研「別に悪いわけじゃ無いんだけどな…」
どれでも似合うし、どれでも大切に使ってくれると確信があるものの…一番としてはインパクトに欠けてその内数多の贈り物に埋もれてしまうだろう
薬研「…そもそも…」
一兄や山姥切の旦那、鶴丸の旦那や三日月の旦那とAを慕う者は強敵ばかりで俺なんか簡単に端に追いやられてしまいそうだった。気持ちは負けないなんて言ってもそれは皆も同じだろう。Aに選んでもらえるような自信なんてなかった
薬研「…はぁ」
溜息をつく、迷子になってしまったようなそんな感覚に気が重くなった。今日は良い物を選べそうにないと帰ろうかと思っていた時だった
「あれ？薬研どうしたの？」
目の前に居たのは渦中の人で
薬研「た、大将？どうしてここに？」
「あぁ、乱君が化粧品が欲しいって…」
乱「そうそう、頑張ってたご褒美が欲しいなーっておねだりしたんだよー？」
そう笑う乱はしてやったり顔をしていた
乱「でもぉ、僕より薬研の方が頑張ってるからね、ご褒美は薬研にあげてよ！僕は先に帰ってるから！」
と言い逃げして帰って行った
「え？！乱君？！」
慌てたAが追いかけようとしたが乱の機動の速さからかもう見えなくなっていた
「…居なくなっちゃったね、とりあえず欲しいって言われてた化粧水だけは買っといてあげよう…、薬研は何か欲しいものあるの？？」
薬研「え、あ、いや…俺っちは…」
「我慢しなくていいよ、乱君も言ってたけど薬研も沢山頑張ってるからね」
薬研「…俺っちは大将と…Aと一緒に、二人きりで過ごして…頭を撫でてもらえたらそれでいい…」
二人きりでと言うことがかなり難しい、駄目だと言われても仕方無いと目を伏せるが
「解ったよ、今からでもいい？明日以降時間取れるか解らないしあまり待たせたくないから」
薬研「！あ、あぁ…」
了承が得られた事に安堵し、二つ返事で頷いた
「じゃあこれだけ会計してくるね？」
そう言ってAが化粧水を会計している間に自分もあるものを買い、手を繋いで帰ったーー

部屋に付くと辺りは静かだった、皆それぞれに割り振られた仕事で出払っているから弟達も居ない、勿論鶴丸の旦那や三日月の旦那も遠征に出ていて居らず

薬研「…」
Aを見つめる目は思慕ではなく純粋な恋慕だった