貴女と共にーー ページ29
ぼんやりと目を開けば一面の赤…否、緋か…
緋鬼は珍しくて仲間など持たない天涯孤独の身
妖なんだから独りでも何ら問題ないと思っていたのに、仲間と言う暖かさを知れば知るほど、手放すのが惜しくて辛くて…
周りでは騒がしく四人が喚いている
…眠たいんだから、静かにしていれば良いのに
でも、視界に残る人間…あいつらが目障りだな…
体が怠いけど、一仕事してから寝ようかーー
「…」
地に伏していた体を再び起こす
そうすればまた血が噴き出した
鶴丸「おい！う、動くなよ…このままじゃ…」
「まだ…片付け終わってないね…」
三日「…A？」
「…」
人間に向かい１歩、また１歩と進めば
人間「ひぃ！化け物が！来るな！」
人間「撃て！」
等と銃や矢を撃つ
一期「A殿には通しません」
鶯丸「これ以上傷を増やさせる訳にはいかない」
Aの前に立ち矢や弾を弾いた
「…お節介…でも、嫌いじゃないわ…」
小さく笑う、お節介だと感じたのはこれで何度目だろう、もう忘れてしまった
「…これで、終わる」
足に力を込めた
人間「ひぃ！」
人間「や、やめろ！」
人間「お前達のことは見逃してやるから！！」
そんな命乞いが聞こえるけれど、聞く耳なんてない
「…いただきます」
人混みに飛び込むと貪り始めた、これが最後の晩餐だろうか？
それでも、豪族らはこれで壊滅し、政府とやらも完璧に潰えただろう
…やっと、悲願は果たされたのだ
しかしーー
【ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞーー】
地鳴りのような音が響き、地震が起こる
三日「っ、一体なんだ？！」
鶴丸「あれだ！術者の野郎がなんかしたんだろ！」
指を指す先には術者が何事かを念じながら逃げる様があった
一期「逃がしません！」
鶯丸「彼方が出口だろう、行くぞ」
追い掛けようとするなかで
鶴丸「A、建物がもうすぐ潰れちまう」
三日「ほら、此方から出よう…？」
「…」
そう言うのにAは動かない
一期「A殿？…！その脚は！？」
鶯丸「っ？！術者か！」
気付いたときには既に遅く、Aの足には特殊な術で施された枷が嵌まっていて、このまま建物ごと潰れさせようと言う魂胆なのだろう
鶴丸「こんなもの！」
三日「く…攻撃が弾かれてしまう…！」
どうしても解けない、けれど建物は確実に崩れていく、そんななかでーー
「…五月蝿い…寝させてよ」
そう一言、その瞬間Aは大きく手で辺りを薙ぎ建物を崩れさせたのだった、そして崩れるほんの一瞬に空いた穴から四人だけ外に出したのだったーー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
珀錏(プロフ) - よっしーさん» コメント有難うございます。この話は短編でも必ずハッピーエンドにと書いたお話です。感動してくださったなら感無量にございます(*´ー｀*) (2017年9月24日 23時) (
レス) id: 164f6ccbe4 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー(プロフ) - こんばんは(//∇//)作者様のお話全て面白いです！この話は感動しました(^-^) (2017年9月24日 23時) (レス) id: f0044d0026 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 珀錏さん» 追いかけるよ〜どこマでもね！！キャハハハハハハはハハハハハ！！ (2016年8月11日 15時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
珀錏(プロフ) - 闇夜さん» ヽ(ヽﾟﾛﾟ)ﾋｲｨｨｨ!別作品に撤退だ！← (2016年8月11日 15時) (レス) id: 7363f9ebdb (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 珀錏さん» 暗殺闇討ちお手のもの！！覚悟！ (2016年8月11日 15時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：珀錏 | 作成日時：2016年7月30日 16時
