戻らない日々に ページ14
記憶を呼び起こせば、颯は何時も楽しげにニコニコしていて…私と二人だけの世界でも構わないと何時も側に居てくれた。
人は愚かしい、そして欲ばかりの醜い生き物だ。それでも、颯は穢れを知らなかった。いや…もしかしたら知っていたのかもしれない、けれど染まりはしなかった。だから…最後はあんな終わりだったのだろう。人を助けたと言うのに、生け贄にされるなんて…あぁ、愛しい子…どうして颯じゃなくてはいけなかったの??
颯【おきゃーしゃ!】
「…颯、どうして戻ってこないの?早く、帰っておいでって言ったじゃない…」
颯【キラキラのガウガウ!おきゃーしゃは綺麗でピカピカ光ってる!】
「…輝きが足りないの?私が見つけられないの?」
颯【…おきゃーしゃ…泣かないで?】
「…私は…何度、颯を喪えば良いの??」
涙が伝う、手を伸ばしても触れられない颯に、もどかしくて、苦しくて…慟哭をあげればーー
鶴丸「おい!目を覚ませ!」
「っ!?」
目を開けば鶴丸が居て、慌てて飛び退き距離を取った
「う…ぁ…」
体が痛い
鶴丸「無茶するなよ、俺達四人の渾身の峰打ちを受けといて動けるとか硬すぎるな…」
「く…何故、とどめを刺さなかった」
鶴丸「え?…いや、別に君を倒そうとした訳じゃないしな…」
「…っ」
鶴丸「君がいきなり泣き始めて驚いたぞ、悪夢でも見ていたのか?」
「…私が…泣いて?」
目をごしごし拭えば確かに濡れていて
「悪夢…」
悪夢なのだろうか?夢の中では颯に会える
ならば幸せな夢の筈だ、それをどうして…
鶴丸「…君は…颯を、心から愛していたんだな」
「解ったような口をきくな!!私から、あの子を奪ったあんたたちが言っていいことじゃないっ!!」
鶴丸「…なぁ、俺がこれから言うことは…ただの独り言だ、聞き流してくれて構わない」
「…は?」
鶴丸「俺達刀剣が神として奉られるようになったのは遥か昔のことだ、人は何かに依存し縋らなければ生きていけない弱い生き物だから、その器が必要だったんだろう。…そうして俺達は人間達の怠惰と罪の捌け口に付喪神として生まれたわけだ…」
「…」
鶴丸「俺達は特に何かをしたことはない、繁栄をもたらす?そんなこと知らない、勝手に言ってるだけで此方は良い迷惑だ。それなのに何か厄災があれば俺達が怒っただの何だの…全く呆れたぜ?…でもな、何時からか…その勝手に生まれた有りもしない怒りとやらを鎮める為に…犠牲になるものが現れ始めた」
「…っ」
唇を噛む
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珀錏(プロフ) - よっしーさん» コメント有難うございます。この話は短編でも必ずハッピーエンドにと書いたお話です。感動してくださったなら感無量にございます(*´ー`*) (2017年9月24日 23時) (レス) id: 164f6ccbe4 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー(プロフ) - こんばんは(//∇//)作者様のお話全て面白いです!この話は感動しました(^-^) (2017年9月24日 23時) (レス) id: f0044d0026 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 珀錏さん» 追いかけるよ〜どこマでもね!!キャハハハハハハはハハハハハ!! (2016年8月11日 15時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
珀錏(プロフ) - 闇夜さん» ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!別作品に撤退だ!← (2016年8月11日 15時) (レス) id: 7363f9ebdb (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 珀錏さん» 暗殺闇討ちお手のもの!!覚悟! (2016年8月11日 15時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珀錏 | 作成日時:2016年7月30日 16時