世界で一番大切な君〈あかがみん watoさん〉 (ページ34)

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好きだったんだ　貴方side ページ34

ケーキを注文してから私はわととの事を話した。

ずーっと仲良しだった事、中学の卒業式の事、
そして、朝の事。

どの話もアイクは聞いてくれた。

貴「これが、わとと私の関係。中学の卒業式に好きじゃないって言われてからは、ずーっと苦しくて気まずかったってわけ。」

全部言い切ってふぅとため息をつくとアイクはポンっと私の頭に手を置いてきた。

ア「なんで今まで話してくれなかったの？話してくれれば自分ももっと力になれたのに。」

ポンポンとなぐさめるようにアイクは頭を撫でてくれてなんか安心する。

貴「ごめんね、話しとけばよかったのかも。そしたらもっと早く解決したのかも。」

(´Д｀)ﾊｧ…。

なんで、こんなに私ってバカなの？

時間が経つに連れて余計に気まずくなるなんて分かってたのに。

もう一回深くため息をつくとアイクもため息をついた。

ちょっとだけ沈黙が続いたんだけど、少ししてからアイクが静かにその沈黙をやぶった。

ア「あのさ…話、聞いてて思ったんだけどね。わとさんとAってもしかして…

付き合ってた時、ある？」

意外すぎる質問にびっくりする。

貴「いやっ！ないないっ！」

必死に首を振るとちょっとだけ悲しそうにアイクは笑う。

ア「そ、そっか。けどさ…

少なくとも、A、わとさんの事、その時好きだったんだと思うよ。」

アイクの言葉に私はフリーズする。

私が………わとの事を好き、だった？

考えたこともなかったことを聞かれて動揺してしまう。

私の姿を見て「わかってないのか。」とつぶやいたアイクは私に説明してくれた。

ア「だからね、その告白現場を見てAは傷ついて。その女の子に必死になってるわとさんの事を見てるのも辛かったんだよね？

って事は、わとさんにAが好きっ言われたかったってこと。そして、その女の子が羨ましいって考えてたって事。」

そう言われて私はあの時の気持ちをもう一度思い出してみる。

私が一番、わとに近いと思ってた。

お互い一番大切な存在だと思ってるもんだと考えてた。

けど、わとはあの女の子ばっかり見てて。

その女の子もわとの事、好きで…。

あの子になりたいって思ってた。

って事はホントに私…。

貴「あの時、わとの事、好きだったんだ…。」

気づいてしまった

いや、ホントはすでに気づいてたのかもしれない。

私は…

わとが『好きだった』んだ。