猫の皮を着込んだ悪魔【名探偵コナン】 (ページ3)

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昏睡ページ3

『それじゃあ、ありがとうございました。』

「あ、僕送りますよ」

話に入ってくんな、イヌ。
お前は所詮、イヌだ。
何が、送りますよ、だ。
冗談じゃない。

『いえ、大丈夫よ。すぐそこなので』

「安室さん、この人送ってあげてください！何かあったらいけないし...」

君もなに言ってんの。
何かあっても大丈夫だから、ほんとに。
何かあった場合は、あっちが被害者になってるから、結局。

『あー、大丈夫ですよ、本当に』

.

.

.

「寒くないですか？」

『大丈夫ですよ』

結局こうなるわけだ。
全く、なんでこう、強く断れないんだ、私。

「あ、今更ですけど、僕は安室透っていいます。あの喫茶店でバイトしてるんです」

『そうですか』

「.........」

『..........』

「.........」

『......あの、何か？』

「いえ、お名前を聞きたいな、と...」

『中原、です』

「下の名前は」

『Aですが...一体どうしました？そんなに質問攻めで、照れますね』

嘘である。
照れはしないが、気味が悪い。
きっと、私の素性を調べるのだろうか。
国という権力を使って。
いっそのこと、こう言えばいいんじゃないのか。
僕、安室透って言いますぅ〜、趣味は人の素性を調べることですっ♪
......みたいな。

...ダメだ。
仮にも、彼のファンも現世ではいるのに。

「あ、着きましたよ」

『......』

......でっかー。
いや、でっかー。
今まで、エンドのE組にいたもんだから、いっつも本校舎の人たちと違って庶民的なホテルだったし、いや、楽しかったけど。
すんごい、楽しかったけど。

『それじゃあ、おやすみなさい』

「はい、失礼します」

『すみません、先程予約した中原ですが』

フロントの男性に話しかけると、接客用のスマイルで応えてくれる
そして、カードキーをもらい指示された階までエレベーターが動いてくれるのだが...

少し体がきつい。
立っているだけでやっと、と言いたいくらいだ。

自分の部屋と思われるところにカードキーを差し込み、荷物を床において、シャワーを浴びることさえも忘れ

まるで、昏睡状態に陥るように

ベッドにダイブした────