鳴 柱 賊 害 奇 譚【鬼滅の刃】

証言　竈門炭治郎 ページ8

__ねぇ、Aさんの話、聞いていいかな。


はい。

俺にも来ると思ってました。

…"あの"後、冨岡さんが俺達につたえてくれたんです。


__彼女、君から見てどんな感じだった？


明るくて、鋭い人でした。

なんて言うか、明るい、って言っても、浅草の女の子達みたいな元気ハツラツとした感じじゃなくて…

大和撫子、って言うのかな、そんな感じです。


__鋭い、っていうのは？


物理的にも感覚的にも、ですね。

物理的に、っていうのは…この人は本当に同じ人なのか、って言う目で見てきた時があったんです。

感覚的な時は…あぁ、常中を習得するとき、何度か助言(アドバイス)してもらって…


__Aさんは、聡明な人だったんだね。


はい。


__じゃあ、彼女に想い人がいた事は？


…どういう事、ですか？

あの人は…

冨岡さんと、お付き合いしているはずじゃ…


__いや、いいんだ。ヘンな質問だったね。


…そういえば、Aさんの死因って？


__それが、毒を使っていたそうなんだよ。


毒…じゃあ、胡蝶さんかもしれない…？


__いいや、胡蝶さんは違う。3ヶ月前、Aさんと一緒に甘味処で女子会開いてる。


そうなんですか…


__誰が怪しいと思ってるの？


…伊黒さん。


__どうして？


伊黒さん、最初は甘露路さんの事が好きなのかなって思ったんですけど…

最近、Aさんと甘味処でよく見かけてて…

でも、話してる内容は甘露路さんへの贈り物の事、なんですけど…

匂いが…


__匂い？何か、臭いとか？


いえ、俺は鼻が良くて、人の感情を嗅ぎ取れるんですけど…

伊黒さん、甘露路さんに対して、好意の匂いが嗅ぎ取れなかったんです。

逆に、Aさんに好意を寄せていたみたいで…


__…それ、他に誰か気づいたとか、話したとかはない？


…善逸も、言ってました。

伊黒さんの鼓動が早いから、焦ってる…好きなんじゃないか？って。


__ありがとう。とっても助かったよ。


いえ…

頑張って下さい。

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