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死んでゆく僕に世界は無情 ページ21
#42
「ごめんね、Aちゃん僕はAちゃんの事、恋愛対象としてはみれなんだ。」
少しは傷つくだろうとは思っていたその言葉は、ストンと落ちて。この恋の終わりを告げた。
「なんか、もうちょっとドラマチックにここで私が涙流す予定だったのに」
そう言うと、なっちゃんは優しい瞳で笑った。
お母さんはこんな感じの顔するのかなぁ。これが世に言うバブみってやつか。初体験だよ。バブみ童貞卒業したわ。
「どうしよう、なっちゃんでバブみ感じちゃった」
「そうなこと言われたら母乳出ちゃうよ？」
「いい声で母乳とか言わない！」
「あなたは僕の娘よ」
「やだ、バージンロード一緒に歩いちゃう」
「娘はまだやらんぞ」
「パパァ……」
「でも、ほんとAちゃんは僕にびったりだったから、連絡取らなくなって心配だったんだよね」
「なっちゃんの思った通りだよ？私だめだめだからさ」
自立するのには、他人より時間がかかったなぁ。自立してからは、息苦しく生きてきた。それでも、私の道に色がついたのは、とても表情豊かで真っ直ぐな
「じゃあ、Aちゃんが可愛い表情する様になったのはその人のおかげかなぁ？」
キヨさんと出会ったから。
「可愛い表情って何さ」
「いや、今の顔凄い可愛い顔してたよ？なんだろ、僕に向けててくれた表情！」
「してない」
「してた！」
「してないってば！」
そうだとしたら、まるで私が、私がキヨさんの事、
好きみたいじゃないか。
．
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作者名：油性ペン | 作成日時：2019年10月20日 22時
