天国には空がない ページ14
#35
「うぉーー！！着いたぞー！、うっ、いたーい！」
咄嗟に鼻を手で覆うが遅かった。あまりの寒さに鼻がツンとして涙が出る。
まって、ほんとに痛い。鼻いたい。北海道の空気ーー！って思って深呼吸した私、馬鹿なの？馬鹿だな。
北海道を舞台とした恋愛ドラマの聖地巡礼だ。勿論、普段ならそんな事しないが、挿入歌を手懸けたこともあってちょっと気になったのだ。
それに、そろそろ幕末志士のお2人にも会いたいしねー。スマブラしたいんじゃあ！
ヒョロりとした男性とがっしりした体格の男性が駅の駐車場に立っていた。
「お久しぶりです！」
「久しぶりだねー」
「女性の一人旅とは関心しないな。以前から君は、危機管理能力が乏しいと思ってたんだよ。いいか、東京ほど栄えてないとはいえ此処にも変なヤツはいっぱ、」
「ちゃんと西郷さんに連絡入れたし、昔も西郷さんが遠征の時は付き添ってくれたしいいじゃないですか」
「まぁまぁ、坂本さん落ち着いて下さいよw」
「そこだ、そこも気に食わんのだ。何故、この男坂本に連絡しない。」
「カス参して全プレ決定した人ーー」
「ぐっ……」
動画投稿延期の件を話題に出すと、坂本さんは押し黙った。そんな坂本さんをみて西郷さんと2人でニヤニヤする。
「そういや、A、オマエも法人化したんだってな」
「所得の関係でそっちのが良くなっちゃっいました。有難いですよねほんと」
「まぁ、それも含めてお祝いにご飯行きましょ！」
「西郷、お前は飯が食いたいだけだろ」
「生放送はちゃんと間に合わせるぞ」
「そうだ、私も参加していいんですか？」
「もうゲストに名前書いたからドタキャンとかしないでよね。何時もなら動画上がってないし、放送延期の所なんだよ。でもゲストの名前まで入れといて放送延期のせいで出来ませんでした。つって？詐欺もいいとこだろ」
「新☆幕末式再生工作法？」
「やめんか！ばか！」
「ははwごめんなさいw」
「ねぇー、ご飯行きましょうよぉー」
その後、豪快な食べっぷりを披露する西郷さんとそんな西郷さんに吐きそうになった私、そして西郷さんについて語りだした坂本さんの混沌とした牛角での1幕があったそうな。
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作者名：油性ペン | 作成日時：2019年10月20日 22時
