恋とはどんな色でしょう ページ12
#33
｢Aさん。なんか雰囲気変わったな｣
サラダのお兄さんを前にレジを打ちながら、チラリとそっちを見る。
｢キヨさん私の事めっちゃ見てますやん｣
｢みてねぇよ！！｣
｢あれぇー？？？違いましたか｣
心境の変化とは顔に出やすいものだ。きっと、まふとの一件が落着したおかげだろう。
キヨさん、れむ睡眠としての私の事も、Aとしての私の事もほんと良く知ってるなぁ。
嬉しくて思わず笑みがこぼれた。
｢最近、目覚まし生やらねぇのな｣
｢んー？今日やる予定ですよ？｣
｢まじかよ！パソコンの前にへばりついてまってっから！！｣
｢バイト終わるまで5時間くらいあるんで普通に寝てくださいよ｣
｢コンビニ来るまで眠かったのに目覚めたわギンギンだわ｣
｢目覚まし生の意味違いますってば｣
そわそわと横揺れしちゃって、変に可愛いとこありますよね。
決めた。ガチファンキヨさんを全力で寝かせるだけの生放送してやるよ！！！
｢……寝たら負けなんで｣
｢ん？何がだ？｣
｢なんでもないでーす｣
｢じゃあ、バイト頑張ってな｣
｢はい。ありがとうございます｣
｢あ、これ｣
手を握られたかと思うと、よく温まったカイロが手に。
｢あったかい｣
｢寒くなってきたから風邪ひくなよ｣
そう言って頭を軽くなでて去って行った。
｢っ〜〜！！！負けた気がする！！！｣
全力で寝かせる。絶対寝かせる。カイロありがとうございます。コノヤロ。
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作者名：油性ペン | 作成日時：2019年10月20日 22時
