ゐつかくる静寂に向けて ページ2
#25
side:キヨ
｢お邪魔します｣
｢お、おう｣
こ ん な 日 が あ っ て い い の か ？
あのれむさんが！！！大好きな実況者が！！！俺の家に！！！天使か！？？？天使がいるぞ！！！
｢まふはお仕事入って来れなくなっちゃったみたいで｣
｢まふに止められなかったのか？｣
｢え、なんでです？｣
｢その一応、男の家だし……って俺何言ってんだ｣
なんだか言葉にすると妙に気恥しい。
ばちっ。
Aさんと目が合ったまま約3秒。
みるみるうちに赤くなるAさん。
まって。なにその顔。
自分の口角が上がるのがわかる。引き締めようと眉間に力を寄せてみるも敢え無く失敗。
｢ちょっ、Aさんこっち見ないで｣
｢わぶっ｣
どうしても見られたくなくてAさんの目を手で覆う。
打ち上げの帰り、Aさんが言った言葉がずっと離れないんだ。
─
──
───
『キヨさん。今日の、ゲームのとき、ありがとうございました。』
騒がしい音にかき消されそうな位の声だった。どうしても聞き逃したくなくて、Aさんの方に頭を寄せる。
『その……かっこよかったです』
はにかんだような笑顔のAさん。そんなAさんに触れていたいと思った。
───
──
─
｢キヨさん、そろそろ離してもらえると……｣
｢おう……｣
恋とかそんなんじゃない。目の前に大好きな実況者れむ睡眠がいるから、憧れの感情。これは憧れの感情なんだ。
気づいてはいけない。そう思って押し殺した。
｢ははwキヨさんってわかりやすくていいですよね｣
｢人のこと言えないだろーが｣
悪戯に笑う顔も可愛い。好き。
｢キヨさんよりはマシですよ｣
｢Aさんには負けるって｣
目が合って二人して吹き出した。純粋に笑えるこの瞬間がすげぇ幸せだった。
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作者名：油性ペン | 作成日時：2019年10月20日 22時
