53.困る距離 ページ9
あれから数日。
爆豪が頻繁に家に来たり、泊まって行ったり(隣の部屋を使えるようにした)と随分顔を合わせることが多くなったと思う。
彼と一緒にいたいと密かには思っているので嬉しいのだが、あまり近すぎたり触れられるのは心臓に悪いのでできれば物理的に適度な距離を保っていたい。
しかしそんなAの思いとは裏腹に、返事を催促するような彼からのスキンシップが段々と増えてエスカレートしてきている。
本を読んでいたら突然抱き込められたり、こちらの反応を伺うように脈絡無く甘い手つきで頬を撫でられたり。
｢まだ恋人でも何でもないのに...！！｣
まだ爆豪の来ていない一人きりの家の中でAは赤い頬を伏せた。
先程からキッチンでトマトのスープパスタを作ろうとしているのだが、ふとした時に日頃から沢山触れられている彼の手つきを思い出して中々作業が進まない。
お陰様でまだトマトは潰されずに固形のまままな板の上で転がっている。
________だって返事を返していない、つまり付き合っていない状態であのスキンシップだ。
恥ずかしさを乗り越えて素直に彼に好きだと伝えたとしてその先は？
一体彼はどうする気なのだろう、どうされてしまうのだろう。
と、こんな調子で未だに返事を返す度胸も冷静に考えられる余裕もない。
「おい」
「う、っわぁあっ！？」
突如後ろからかけられた聞きなれた声。
振り返れば爆豪が「何だ」と言いたげな目でこちらを見ている。
「っど、どこから、いや、いつ間に...！？」
「今さっき。呼んでも返事ねェから勝手に玄関から入った」
どうやらその呼び声に気づけなかったらしい。
そしてそうやってまた近づいてきて、肩越しにAの手元を覗き込んできた。この時点で大分距離が近いから、動けなくなってしまう。
「...料理してたんだろ？何真っ赤で固まってんだよ、なァ？」
上から降ってくるのは意地の悪い声だ。
A自身が意識しきっていることを分かっているからこその確信犯。
(これは私の反応を見てからかわれているのでは！)
赤くなったり慌てたり、何かしら反応があるからこそ爆豪もこうやって物理的な距離を詰めてくるのだろう。
しかし反応を返さないように努めても永遠に弄られ続ける予感しかしない。
このままじゃ駄目だ、それに返事もしっかり返したい。
________その為には一度想いも考えも振り切り無理矢理彼と距離を取って、冷静に考えられる時間を取るべきなのかもしれない。
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Panda - 凄く面白かったです。続きが読みたい!!! (2020年10月11日 8時) (
レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 続きも読めて嬉しいです♪ 傍にいて守ってくれる十傑かっちゃんカッコイイし、安心します(*´艸｀*) (2020年5月12日 18時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！また新たな展開にドキドキハラハラで目が話せません…！！話や設定も面白くて、かっちゃんカッコ良くて、夢主さんも可愛くて好感持てます(*´∀｀*)とても好きです…！続きも楽しみにしております♪ (2020年5月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
はこ(プロフ) - 花帆さん» はわー！！！頑張ります〜！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 7ba8c7d6b1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！十傑かっちゃんとのこの後の展開もドキドキします…/// これからも心地よいペースでの更新を応援してますね(*´ω｀*) (2020年4月27日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はこ | 作成日時：2020年3月3日 12時
