84.頼み ページ40
「それで、本題なんだが」
やっと落ち着いて話を聞く、というところまで来たのだが机を挟んで爆豪とAの前に座る轟と緑谷は爆豪に怒鳴り言われた通り目の辺りにタオルを巻き付けており、それでも真面目な話をしようとしているその光景は随分シュールだ。
「王族の方にこんなことしちゃっていいんですか...緑谷さんまで...不敬で裁かれたりしませんかね...」
不安気なAに爆豪は何も思わないと言った様子でふん、と鼻を鳴らした。
「それで？王子サマが何の用だよ。こんな森ん中に」
「ああ、いや、爆豪じゃなくさっきの...女性に用があってきたんだ」
「ア？」
「私ですか？」
さっきの女性、と言うあたりやはりタオルのせいで今現在爆豪の隣で大人しく座るAは見えていないのだろう。
そして当然そのまま会話は進んでいく。
「...クソデクは」
「僕は轟君にAさんに用があるって聞いて...家は留守だったって聞いたからもしかしてここかな〜って」
「聞いたぞ、恋仲なんだってな。二人共」
「...な、なんだか再度そういう風に言われるといたたまれないですね、なんだか」
「...ンな話しにきたわけじゃねェだろ。コイツに用ってなんだボケ」
「この前爆豪が起こした竜族の渓谷の騒ぎ、そこから彼女の宝石化の個性のことが各国の耳に入った」
「！」
轟の言葉にAは体が強ばるのを感じた。
爆豪も少し表情が険しくなる。
「各国のお偉いさんはこういうのが好きでな。その個性由来の宝石はどんなものなのか、どんな容姿でどんな性格なのか。国民の噂すら気にするような人間の集まりだ」
「...まどろっこしい言い回ししてんじゃねェ。何するつもりだ」
「...明後日、王城で各国から来賓を招いて建国記念の祝典をする。その場に彼女を招きたい」
「え？」
「轟くんそれは___________」
緑谷が口を挟む前にAの隣で、爆豪ががつんと机を強く叩いた。
「...その言い方、話の流れ、つまりコイツに見せモンになれってことか？」
今にも怒鳴りあげそうな声を押さえつけて爆豪は轟をキツく睨みつける。
個性が原因で竜族に攫われ、心身が傷つき一週間も目を覚まさなかったAに一瞬でも「このまま一生目を覚ましてくれないのか」と思ってしまったこと。
内心酷く焦ったことをよく記憶している爆豪だ、今回だってまた「もしも」と考えてしまう。
しかし轟は次いで言った。
「でもそれはあくまで表の理由だ｣
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Panda - 凄く面白かったです。続きが読みたい!!! (2020年10月11日 8時) (
レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 続きも読めて嬉しいです♪ 傍にいて守ってくれる十傑かっちゃんカッコイイし、安心します(*´艸｀*) (2020年5月12日 18時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！また新たな展開にドキドキハラハラで目が話せません…！！話や設定も面白くて、かっちゃんカッコ良くて、夢主さんも可愛くて好感持てます(*´∀｀*)とても好きです…！続きも楽しみにしております♪ (2020年5月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
はこ(プロフ) - 花帆さん» はわー！！！頑張ります〜！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 7ba8c7d6b1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！十傑かっちゃんとのこの後の展開もドキドキします…/// これからも心地よいペースでの更新を応援してますね(*´ω｀*) (2020年4月27日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はこ | 作成日時：2020年3月3日 12時
