79.睡魔 ページ35
ここは大樹の上、逃げ場所もないので言われた通り大人しく待ってはいるのだが。
Aはベッドに転がされたまま微動だにしない。
わかってる、分かってはいるが理解も知識も、なんなら気持ちも追いついていないのでどんな気持ちで爆豪を待っていれば良いのかというのもいまいちな感じではある。
そもそも意識をし始めてしまった時点で彼の家に居るということだけに割と羞恥が襲って、きそうな。
「緊張に押し殺されてしまいそう...」
なるほど、恋人だとかっていうものはこういう気持ちを度々重ねていくんだなぁとAは一人やり場のない思いを誤魔化し気味に頷いた。
そうして横になった体を反対にころんと転げてみれば、ふとベッド横の棚の上に見覚えのあるものが視界に入る。
透明で小さいそれは確かAが爆豪に初めて会った時、お礼にと渡した個性由来の小さな宝石だった。
「...あの時は、売ってお金にして下さいって意味で渡したはずなんですけどねぇ」
口に出したからか、不意に出会い頭の頃が頭に浮かんだ。
確か竜族が怖くて仕方がなくて、Aは竜族の爆豪の脛を蹴り上げていた筈だ。
そしてその後その場から逃げようとしておぼつかない足取りに崖下の川に滑り落ちた。
「ふふ」
後々思い返せば何とも間の抜けた話だ。
しかし今このタイミングでそうやって思い出せたのは良かったかもしれない。少しだけ緊張なんかが解れた気がする。
そして身体の構造を変化させてしまうあの魔具の影響で案外身体は疲れていたのだろう、緊張がなくなればほんの少しの怠さ、そして次には心地良さげな睡魔が襲ってくる。
寝ずに待たないと、という意思は勿論あったが以前一週間も眠ったあと夜も熟睡するという無尽蔵な睡眠欲を持ってしまっている手前、Aは安心感を得られたとなると多少睡魔に逆らったあと目を閉じてしまった。
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Panda - 凄く面白かったです。続きが読みたい!!! (2020年10月11日 8時) (
レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 続きも読めて嬉しいです♪ 傍にいて守ってくれる十傑かっちゃんカッコイイし、安心します(*´艸｀*) (2020年5月12日 18時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！また新たな展開にドキドキハラハラで目が話せません…！！話や設定も面白くて、かっちゃんカッコ良くて、夢主さんも可愛くて好感持てます(*´∀｀*)とても好きです…！続きも楽しみにしております♪ (2020年5月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
はこ(プロフ) - 花帆さん» はわー！！！頑張ります〜！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 7ba8c7d6b1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！十傑かっちゃんとのこの後の展開もドキドキします…/// これからも心地よいペースでの更新を応援してますね(*´ω｀*) (2020年4月27日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はこ | 作成日時：2020年3月3日 12時
