71.先日のスープ 爆豪視点 ページ27
「数時間経てば元に戻る」とドラゴンに変わってしまったAが俺に手渡された。
どうしてこうなったのかと溜息を吐きながらAの落とした服をこいつの家に放り込んで、たった今Aだけを抱えて自分の家に戻ってきたところだ。
あのままAの家で元に戻るまで待っても良かったのだが、如何せんこいつの家は王都だ。
小さいとは言え見た目はドラゴン。竜人ならともかく魔獣扱いされてしまうドラゴンとなれば、もし街の奴らに見つかった時面倒だった。
「あの女が言ってた通り中身はそのままなんだよな？お前声出せねェんか」
「きゅ」
「......あー、そうかよ」
声は出せるぞ、とAが声を出して見せた。
とは言え完璧にドラゴンの鳴き声だったが。
いきなり体のサイズや骨格が変わったのだ、Aは慣れないらしく跳べもしない羽をバタバタと忙しなく動かしている。
「いいか、その体で下手にウロチョロすんじゃねェぞ。怪我しても知らねェからな、この好奇心の塊」
一応釘を刺しておけばそいつは素直に頷く。
あの発明女のせいで嫌に気疲れしてしまったと思いながら椅子にAを下ろせば行儀よく足を揃えてちょんと座り始めた。
一応大人しくしろという俺の言うことを聞こうとしてるのか。
ともかくこいつが元に戻るのが何時間後になるか検討もつかない。待ってたんじゃ朝になる可能性もあるし、日が沈んだ今の時間帯を考えるとこの姿のままAにも夕飯を食ってもらうのがいいだろう。
そしてふと、先日好きなものを聞かれた時に「辛いもの」と答えたからかきっちり好みに合わせて飯をこいつが用意してくれたときの事を思い出した。
普段はこんなことしちゃいないが、少しだけこいつの要望も聞いてやろうかと言う気になる。
まあ今はこいつの口が聞けないわけだが。
「...大分前に、ハンバーグの礼にスープやったろ。あれ美味かったか」
「きゅ」
「んじゃ今日もそれ作ったら食うか？」
「きゅ！」
同じ鳴き声が帰ってくるが口角の上がる白いドラゴンの口先。
自分の作ったものでスープしかこいつに食わせたことがなかったので質問はそのスープ一択になってしまったが、拒否する素振りでも見せられたら以前食べたハンバーグに似たり寄ったりな物を適当に作ろうと思っていた。
でもこいつはそれで嬉しいらしい。
「じゃあ大人しく待ってろよ」
その小さくなってしまった頭を軽く撫でた。
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Panda - 凄く面白かったです。続きが読みたい!!! (2020年10月11日 8時) (
レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 続きも読めて嬉しいです♪ 傍にいて守ってくれる十傑かっちゃんカッコイイし、安心します(*´艸｀*) (2020年5月12日 18時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！また新たな展開にドキドキハラハラで目が話せません…！！話や設定も面白くて、かっちゃんカッコ良くて、夢主さんも可愛くて好感持てます(*´∀｀*)とても好きです…！続きも楽しみにしております♪ (2020年5月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
はこ(プロフ) - 花帆さん» はわー！！！頑張ります〜！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 7ba8c7d6b1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！十傑かっちゃんとのこの後の展開もドキドキします…/// これからも心地よいペースでの更新を応援してますね(*´ω｀*) (2020年4月27日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はこ | 作成日時：2020年3月3日 12時
